たろおの小屋

昼間は「聖職者」を演じる永遠の若造「たろお」のつぶやき。
仕事,家族,後遺症・・・。感謝の日々を綴っています。

再起動編【岡田さん】

2024-05-03 07:01:49 | 脳出血・失語症
 人間はしぶとい。でも呆気なく死んでしまう。
だから、生きていたいなら8割程度の頑張りでいい。
全力を出すのは死に際を覚悟した時で十分である。

 初任の勤務校から40年来の付き合いだった後輩を先に送り出すことになるとは…
 市教育委員会でも指導主事として苦楽を共にし、私が倒れた時には、遠い入院先の病院まで、何度もお見舞いに来てくれた。律儀な男だった。
 1000人規模の大規模校の第1教頭であり、市教頭会の会長。
 ぶれない男だった。

 長期休暇の職員を3人も抱えた大規模校で、
「聞いてくださいよ! 今日の午前中は地獄でした。
 第1班の校外学習の引率に行って、学校に戻って授業をして、まだ現場へ行って第2班の引率…。
 体がいくつあっても足りないですよ。
 でも、職員を休ませないと…。」
と苦笑いをしていたのが木曜日。
明けて、その月曜日に、彼は二度と立ち上がれなかった。
職員を楽にするために、子供たちの校外学習を安全に見守るために、自分が犠牲になってしまった。

…というより、
「第2教頭を担任に配置しなければ人手が足りない。」
という教職員不足が岡田さんを殺した。
 地区の体育教育を担っていく立場が約束されていたのに…
 教員不足と責任感と子供への思いに押しつぶされた犠牲者…

「注がれた酒は『あぐっ』と一気に飲み干すものだ」
と言い合って、
「私が退職したらお酒を飲めるから、その時にはゆっくりと飲もう。」
と約束してから1か月…突然の他界。

教頭会から「偲ぶ会」の参加希望調査が来たが、
「岡田さんの死を名目にした普通の飲み会になるだけでは?」
「彼の死を整理できていないし、今は前に進むだけ。」
「退職したら、心から悼んで一献を酌もう。」
と判断して、今は粛々と前に進むことにする。

岡田さん、またね! もう少し待っていてね!


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