振り返る前はつい気軽に「箱根八里の半次郎」の次は「大井追っかけ音次郎」と考えていましたが、箱根路から大井川までの間にKiinaは12曲も吹きこんでいました。この先終着点の「さくら巡礼」まで、味わい尽くす旅路は長いですσ(^_^;)
さて満を持しての股旅演歌第2弾は2001年2月21日に発売されました。https://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/CODA-1940.html
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/12808/
「箱根八里の半次郎」の思いがけない大ヒットと沸騰する人気に、持ち上げてくれる人もいれば底意地悪く「一発屋」扱いする人も大勢いたことでしょう。
2曲目は「箱根」以上にヒットさせなくてはならない。Kiinaの肩にかかった期待と重圧は、22年経った今私が想像してみてもその想像を遥かに超えたものだったのだと思います。
改めて「大井」の歌詞を見てみると、「やっぱりね そうだろね しんどいね 未練だね」を抜かすと、ごくごくありきたりな股旅演歌です。
今だにKiinaとは直接関係ないところでも「やっぱりね そうだろね」のセリフが引用されるくらい、この部分はキャッチーな効果があったのでしょうね。
歌詞のアイデアとファンの応援と、そして何よりKiinaの実力と血の滲む努力が「どうせ一発屋」という世間の下馬評を蹴散らしたのだと思います。
コンサートでは必ず「箱根」とセットで歌われる「大井」は、歌い出しがいきなり高いキーで張り上げるとても難しい曲ですよね。なので、私の中ではKiinaのその時の好不調も如実に現れるバロメーター的な曲にもなっています。実際にコンサートに行くたびにハラハラ胸を痛めた時期もありました。
忘れもしない2015年3月1日の「め組の辰五郎」明治座公演初日。第2部のコンサート中盤で「大井追っかけ音次郎」の張りのある高音が客席中に響き渡りました。
「きよしくんの声が戻ってる!」
あの感激の瞬間を今でも鮮明に覚えています。
Kiinaの人気を不動のものにした大事な2曲目。それぞれの方にそれぞれの思い入れがおありでしょう。
私にとっては、あの日の明治座で聴いたものが今でも最高の「大井追っかけ音次郎」です。
ちなみに、この日のメモには「無法松の一生〜度胸千両入り」について、「声が出過ぎて、制御不可能な暴れ馬のよう」と書いてありました。