アルバム6曲め、オリジナル曲の最後は「残雪の町」です。Kiinaの歌唱はこちら↓
https://m.youtube.com/watch?v=tJIHv3079os
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/130720/
水木れいじ先生、杜奏太朗先生の作詞作曲コンビ作品です。コンサートでは宮崎慎二先生のドラマチックなイントロに被せて西さんのナレーションが入ります。
※ 固く結んだ友情と 背中合わせの愛
数え切れない思い出も 舞い散る雪に溶けてゆく
俺はひとり身を引き旅立とう 見知らぬ遠い町へ※
自分と恋人同士だったはずの女性と親友がいつしか愛し合っていることに気づいた主人公が、傷心の思いを抱えながら二人には黙って遠くへ立ち去ろうと決意する曲です。
最初に聴いた時、同じようなシチュエーションの歌が頭に浮かびました。森進一さんの「さらば友よ」です。
歌詞はこちら↓
https://www.uta-net.com/song/6563/
こちらは、立ち去ってゆくのは恋人だった女性と親友です。
裏切りを許そうとは思うけれど、幸せを祈る気持ちにはまだなれない。そんな複雑な思いのままふたりを見送る主人公を阿久悠さんが見事な詞にまとめた名曲です。
「残雪の町」のKiinaも「さらば友よ」の森さんも、主人公の傷ついた心を絶唱にしてドラマチックに歌い上げていますね。
Kiinaは「残雪の町」を、この年の国フォのスペシャルコンサートとハロウィンコンサート、そして2019年のスペシャルコンサートでセットリストに入れていました。
西さんのイントロナレーション付きです。
Kiinaにとってもお気に入りの一曲だったのかな?と思います。
愛を取るか友情を取るか。
裏切られた側には「可哀想な僕」という落とし所があります。一方の裏切った側が幸せになれるかというと、愛する人を手に入れてもずっと負い目を抱えたままどこか世間を狭くして生きていくことになるのでしょう。
漱石の「それから」や「門」の主人公たちがそうだったように。
ところで、このアルバムインタビューが掲載された「カラオケONGAKU」2012年9月号には、別ページで水木れいじ先生の連載エッセイが載っていました。
その中でご紹介されていた杜奏太朗先生。演歌の作曲家になられる前は「藤井宏一」というお名前のシンガーソングライターだったとのこと。
藤井宏一さんて、ウルトラマンメビウスの「believe〜あきらめないで〜」の作曲をされていましたよね?杜先生の別のお名前だったんですね。
それと、グッチさんがKiinaのために作ってくださった「わたしのふるさと」の作曲が藤井宏一さん名義でした。
杜先生の作られるメロディーが演歌でもあまり泥臭く感じられないのは、そんな経歴とも関係かあるのかもしれませんね。