2022年前半の勝負曲は、盲目の箏曲家宮城道雄さんをテーマに、どっしりとした王道演歌に仕上げた「群青の弦」でした。
KIINA.の歌唱はMVのフルバージョンが公開されています。↓
氷川きよし / 群青の弦(いと)【公式】 - YouTube
漆黒の背景に青の濃淡の布。紺の袴姿に髪をポニーテールにして輪郭のくっきり現れたKIINA.の白皙の面立ちだけが浮かび上がる、限りなく美しい映像です。
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/313688/
作詞は原文彦先生、作曲は岡千秋先生、編曲は丸山雅仁先生。
前年のスペシャルコンサートが初披露でしたね。
イントロの最初の尺八と琴の音を聴いた瞬間、「"好き!"の直球ど真ん中」と思いました。
リリース時のメディアの記事です。
氷川きよしの新曲は演歌の真髄「群青の弦(いと)」。発売に先駆けてビジュアルを初公開 - カラフル
曲のテーマになった宮城道雄さんについては、リリースされた時に色々書いたような気がしますので、別の視点から。
実は作曲してくださった岡千秋先生はご自分の作品をセルフカバーしたアルバムをこれまで何枚も出していらっしゃるんですね。最新のアルバムに岡先生がピアノで弾き語りする「群青の弦」も入っていました。
サブスクで解禁されているので"岡盤『群青の弦』"を聴いてみたら、これが笑っちゃうほどKIINA.のものと違うのです。
「浪速恋しぐれ」でお馴染みの、岡先生独特のダミ声で歌うど演歌。これはこれで、岡本先生にしか出せない味がありましたが。
これをデモテープで渡されて、KIINA.の声と丸山先生のアレンジで味つけされると、かくも格調高い正統派演歌に変わるのだと思うと、何だか不思議な気もしました。
「群青の弦」は歌詞もメロディーも、そして編曲も素晴らしいです。
冒頭から一気に曲の世界に引きずり込む高いキーでの見事なこぶし回し。宮城さんの生涯と生きざまを余すことなく描ききった原先生の歌詞。
KIINA.の歌う「群青の弦」は、歌詞とメロディーと歌声を丸山先生が格調高く額装してくださった、一幅の絵のように感じます。
「白雲の城」「男の絶唱」「群青の弦」
KIINA.の歌うものなら何でも好きだけれど、やっぱり私はこうした正統派演歌に一番心を打たれるようです。