2017年3月7日、Kiina30代最後のシングル作品として「男の絶唱」がリリースされました。
Aタイプhttps://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCA-17279.html
Bタイプhttps://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCA-17280.html
Cタイプhttps://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCA-17281.html
と、それぞれカップリング曲違いの3タイプです。
Kiinaの歌唱はこちら↓。既にフルサイズのMVが公開されています。
https://m.youtube.com/watch?v=wAJFFv5wpFw
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/225816/
発売こそ3月でしたが、ご存じのように前年の国フォのスペシャルコンサートで既に非公式という形で披露されていました。
一日目の昼の部。「新しい作品とはっきり言ってはいけないと言われているのですが」と断りながら、袴姿でスックと立ったその姿。
イントロのトランペットを聴いた瞬間、「これよ!これを待っていたのよ!」と、夢中で歌詞を書き留めました。
Kiina(当時の感覚では"きよしくん")しか歌えない、どっしりとした王道演歌。乾いた砂に水が浸みこむように歌詞が歌声が胸に染みこんできました。
終演後、Kii友さんたちと興奮しながら感激を語り合ったのを覚えています。
2日めにはもう客席に「これぞ氷川演歌!」の横断幕が見られましたね。
年が明けての2017年ツアーコンサート、初日の川越コンから既に「男の絶唱」はセットリストに入っていました。2月1日、2日の中野サンプラザでのデビュー記念日コンサートでも「これは浮き沈みの激しい芸能界で、それでも流されない強さを持って生きる、その決意の歌」と紹介してくれました。
インタビューでのKiinaの説明によると、「この作品は1年前に出来上がっていたけれど、録音していくうちに『素晴らしい曲だから絶対シングルにしたいな』と。スペシャルコンサートの時にサプライズで歌わせていただいたら、会場の皆さんの拍手の厚みが違うなと感じて、シングル作品にさせていただきました」という経緯があったそうです。
失礼ながら、しばらくの間作詞してくださった原文彦先生のことを存じ上げないままでした。「おとこの詩」を作詞されていたにもかかわらず、です。
でも、あまりにも歌詞が素晴らしいので、すぐにどんな方なのかと色々調べました。
原先生は仁井谷俊也先生とは同じく西沢爽さんに師事した、良き競争相手の間柄だったそうです。
仁井谷先生は会社勤めを辞めて、プロの作詞家を目指して尾道にご家族を残したまま上京。一方原先生はご家庭の事情で香川を離れることが出来ず、地元で教師に。定年まで勤め上げたのち空手道場を開きながら作詞家の道を進まれたのだそうです。
実は「男の絶唱」の歌詞をよく読むと、書いてある内容は演歌によくあるパターンです。
1番で自分の置かれている状況を紹介、2番に(一緒にはなれない運命の)女性が登場。3番でこれから自分の進むべき道を示すという、演歌のセオリーどおりの構成になっています。
それが「どこかで聴いたことがあるような」凡庸な作品になっていないのは。
ひとつには、歌詞に使われている言葉の格調の高さ。
次にその歌詞にピッタリとハマってさらに格調を高めるメロディーとアレンジの素晴らしさ。
そして何よりも、この難しい曲を歌いこなすKiinaの抜群の歌唱力。
すべての要素が融合して、まさに「これぞ氷川演歌の決定版!」とも言える世界を作り上げているのだと思います。
「男の絶唱」については、近田春夫さんが「考えるヒット」で考察されていました。
いわく「何より感じ入ったのが曲のタイトルの、歌い手を選んでしまうほどの圧倒的強さ。このタイトルを氷川は何の気負いもなく自然体で臨んでみせ、そしてサラリとこなしてみせた」
一方で「この曲は難しすぎる」とも。
そうです。
Kiinaはあらゆる演歌の歌唱テクニックを自在に駆使して、この曲を実に聴きごたえのある王道演歌として歌ってみせてくれていますが、恐らくKiina以外のどんな歌手もこの曲の大きさに圧倒されて、手も足も出ないと思います。
Kiinaファンは、しばしばあの歌唱力を標準と考え違いする危険性がありますよね。Kiina基準は危険!(笑)
余談ですが、フラゲ日に当たる3月6日、新橋駅前のSL広場でリリースイベントが行われました。
メインはもちろん「男の絶唱」でしたので、当然Kiinaは袴衣装。その姿で「限界突破×サバイバー」も歌うという超レアなものを見せていただきました。