「男気」10曲目は、三橋美智也さんの「赤い夕陽の故郷」です。
https://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCP-32465.html
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/66641/
本当にまあ、この「おーい」の呼び声のなんと爽やかで美しいことでしょう!
この曲全体を通して聴ける伸びやかなハイトーンこそ、この時代のKiinaの本領発揮だと思います。
Kiinaはどんなカバー曲も、とても上手に聴かせてくれていますが、例えば「流転」のように低音が基調で盛り上がりの少ない曲は、聴いている私がどこか消化不良気味になってしまいます。
やはりKiinaの魅力は、というか魅力を最大限に発揮出来るのは明るい伸びやかな高音だろうと、「赤い夕陽の故郷」のような曲を聴くと、あらためて思います。
もし、氷川きよしという歌手をご存じなかった方がこの歌声を聴いたら、「この歌を歌っている若者は誰⁈」と、たちまちファンになると思います。
「うらぶれの旅を行く」とか「馬鹿な俺だが」とか、今の自分の姿を自嘲する詞が並びますが、曲調がなんとものどかで明るいせいか、悲壮感がありません。
本当は帰れないかも知れないけれど、いつかは故郷に帰れる気がする。この時代に数多く作られたふるさと演歌の中でも、どこか希望の感じられる一曲だと思います。
歌い出しの「おーい」はふるさとが彼に向かって、歌い終わりの「おーい」はふるさとに向かって彼が呼びかけているのでしょうか?
余談ですが、昨日の読売新聞夕刊エンタメ面に辰巳ゆうと君のインタビュー記事が掲載されていました。
「氷川先輩のように、多ジャンルの音楽を開拓していける歌手になりたい」
律儀なゆうと君、どんな取材でも憧れの氷川先輩の名前を出すことを忘れませんね。
Kiinaの歌ってきた道を一曲ずつたどってみて、つくづく思います。
Kiinaのこの声の魅力に沢山の人が惹かれ支持したからこそ、ポップス全盛の時代に名だたるポップス歌手に伍してKiinaがひとりヒットチャートに名を連ねたからこそ、あらゆる賞レースのステージに立ち続けたからこそ、世の中の人は「演歌」というジャンルが過去のものでなく今の時代にも生きていることを認識出来たのだと。