今日のKiiスタの内容が記事になっています。
長崎原爆の日、氷川きよしさんや土屋太鳳さんが平和の願いつづる。「戦争、そこに断じて正義なんかありません!」
https://www.huffingtonpost.jp/entry/
マスコミの方も、何でもかんでもじゃなくって、こういう内容を選んで記事に上げていただきたいなあというのはファンのわがままでしょうか。
話は変わります。
私が掲示板のお仲間に入れていただいた頃、皆さんの話題の中でまるでバイブルのように語られている本と「岩瀬さん」というお名前を耳にしました。
詳しく伺うと、それは岩瀬敦子さんとおっしゃるファンの方が出された「氷川熱」という本のことだと。
岩瀬さんは宇都宮で文芸活動をされていて、ご自分がKiiちゃんのファンになった経緯とファン活動をされる中で感じられたことを1冊のエッセイにまとめ「氷川熱」(2003年 高遠書房)というタイトルで出版されていました。
さっそく私も購入。節度のある筆致の中にまだ20代だった若いKiiちゃんへの熱い想いがにじみ出ていて、多くのファンが「うんうん、分かる!」と自分のこととして読み進められる素晴らしいエッセイでした。
今もお持ちの方も沢山いらっしゃると思います。
岩瀬さんは掲示板の皆さんともご親交があり、コンサートの折に私もご紹介していただきました。
お父さまは私もお名前を存じ上げている高名な児童文学者、お祖父さまも国文学者だったという環境でお育ちになった岩瀬さんにとって、日々の思いを率直に文章に綴ることはきっと呼吸をするように自然な行為だったのでしょうね。
実際にお逢いすると、取り澄ましたところはいっさいなく、上品だけれど気さくでニコニコされた素敵な方でした。
「氷川熱」を出版された後、おそらくはKiiちゃんの事務所から「氷川きよしの名前で経済活動をすること」へのストップがかかったのでしょう。
岩瀬さんご本人には、その本で儲けようという気持ちはみじんもなく、ただファンの方たちに喜んでもらいたいだけだった思うのですが。
その次に出された「29歳への賛歌」(2006年 高遠書房)というエッセイは自費出版の形になりました。
岩瀬さん、「お金さえあればきよしくんの本は何冊でも書けるのに」と何度もおっしゃっていました。
岩瀬さんも何年か前に他界されました。
私の「Kiiちゃん文庫」には「氷川熱」と「29歳の賛歌」のオレンジ色の背表紙が並んで収まっていて、時々読み返すと息が詰まるほどに何事にも力一杯だった20代のKiiちゃんと、岩瀬さんのお月さまのようなまあるいお顔が浮かんできます。
「氷川熱」は一般販売ルートで出版された本ですが、今はほとんど購入が難しいようです。「29歳の賛歌」は自費出版でしたから、なおさらでしょう。
その「29歳の賛歌」の中に、こんな一節があります。
「彼の声を聴く度に、『素晴らしい人を応援しているのだ』という、歓びを実感させられます。他人様からはどう見られようと一向に構いません。自分が幸せだったら、人にも優しく出来るのだと思っていますから」
岩瀬さんと「氷川熱」「29歳の賛歌」のこと。そういう形でファン活動をされた方がいらっしゃったことを、このブログで改めて書き留めておきたいと思いました。