2019年3月12日。Kiinaデビュー20周年の年の勝負曲として「大丈夫」と「最上の船頭」が両A面としてリリースされました。
カップリング曲が「越後の雪次郎」のAタイプhttps://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCA-17605.html
「惚れたがり」のBタイプhttps://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCA-17606.html
「きよしのよさこい鴎」のCタイプhttps://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCA-17607.html
の3パターンです。
両A面という販売形態は、ファンの熱い要望が結実した2015年の「愛しのテキーロ/男花」以来です。売る側にとってはあまり旨みのある形式ではないのかもしれませんね。
両A面になった経緯についてKiinaは、FCの会報で「当初は"原点回帰"で股旅演歌のような正統派でいきたいということで、『最上の船頭』に決まっていたんです。でも、20周年だからこそ、『きよしのズンドコ節』のように、ファンの皆様と一体となって楽しめる作品もよいのでは…と、悩んだ末、"両A面"という結果になりました」とお話ししています。
この文脈を深読みすれば「(コロムビアが、或いは事務所が)「最上の船頭」1曲で決めていたけれど、(Kiinaが)ファンと一体となって楽しめる曲を強く希望して、結果両A面となった」ということなのでしょう。
いつのコンサートだったか、MCでKiinaが「どうしてももう1曲入れたくて探している中で、マネージャーのS君が『これはどうですか?』と提案したのが『大丈夫』だった」と打ち明けてくれました。
そもそものファンとしての素朴な疑問として、「20周年だから"原点回帰"」という理屈の意味が私には分かりません。
Kiinaが「40.歳を迎えて、或いは20周年を区切りに、この先歌手としてどう進んでいくべきか」を模索し、「限界突破×サバイバー」を足がかりにKiinaなりの方向性を掴みかけていたことは、周りの大人たち(Kiinaだって充分過ぎるほど大人です)は分かっていたはず。「演歌の世界だけでなく、もっと自分の可能性を拡げたい」という声も聞いていたはず。
その人たちがKiinaに示した答えが「股旅演歌に戻れ」ですか?
それは「演歌歌手なんだから、演歌の枠の中に収まっていなさい」ということだったのでしょうか?
「最上の船頭」は、とてもよく出来た演歌ですし、私も好きです。でも、江戸時代の男女の駆け落ちの物語が演歌に興味のないリスナーの耳元まで届くかどうか。
大事な大事なアニバーサリーイヤーの勝負曲として「この曲を」と差し出された時、Kiinaはどう思ったでしょう。
拡げようとしていた翼の仕舞いどころを失ったように感じたのではないのかな?
「『大丈夫』を入れて両A面に」というのは、Kiinaからのどうしても譲れない要望だったのでは?
すべては私の想像の中のことですが。
「最上の船頭」と「大丈夫」の初披露は、発売日より1か月以上も早い2月1日、2日の中野サンプラザでのデビュー記念コンサートでしたね。
初披露だというのに「大丈夫」は既に客席の合いの手も手締めもバッチリで、Kiinaは上機嫌!
着流しの裾がはだける勢いで、都はるみさんが乗り移ったかのようにステージを縦横無尽に歩き回って歌ってくれました。
更にはアンコールでも「大丈夫」を。
この歌にかけるKiinaの強い思いが、発売前から既に伝わってきました。
長くなりましたので、「大丈夫」の曲についての感想は明日に。
そうそう!
きっと、とても大事なことなのだと思いますが、このCDからジャケ写の撮影が下村一喜先生になりましたね。