アルバム・カバー曲2曲めは、津村謙さん「上海帰りのリル」です。Kiinaの歌唱はこちら↓
https://m.youtube.com/watch?v=8blZwJQI4aI
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/104549/
元々はアメリカ映画の挿入曲を元歌にした「上海リル」という曲があって、そのアンサーソングになるのだそうですが、1953年にこの曲がリリースされるやたちまち大ヒットとなったそうです。
上海で出会ったふたり。戦前の上海の街や四馬路で夢のような甘い暮らしをしていたのでしょうか。タンゴのリズムが、過去のふたりの暮らしを想像させてくれます。
時は流れ、横浜のあちこちで日本に戻ってきたリルの噂を聞くという。
1953年といえば終戦から8年。多くの人がそれぞれに戦争を乗り越えてきたご自分の体験と重ね合わせ、そして恐らくは夜の仕事をしていたであろうリルの今の境遇に思いを馳せて聴いたのではないでしょうか。
私はKiinaの全楽曲が配信スタートしてすぐにサブスクで1年契約したので、Kiinaの曲だけでなく配信されている他の歌手の歌も聴くことが出来ます。
Kiinaがカバーした曲を聴く時は、他の歌手の歌唱とも聴き比べてみます。同じ曲でも歌手によって様々な色合いの違いがあります。
「上海帰りのリル」は女性歌手の方もカバーされていました。鶴田浩二さんや春日八郎さんも。
この曲は「リル リル」という呼びかけの部分が大変人気になったそうですが、Kiinaの歌う「リル リル」の呼びかけは、他のどの歌手よりも響きが美しいです。ファンの贔屓目でなく、そう断言出来ます。
まるで生身の人間の声というより、楽器のよう。Kiinaの「リール♪ リール♪」を聴くだけで、白いご飯3杯食べられそう。いえ、うっとりして何も喉が通らなくなる。
この高音部だけでなく、中盤の「あまい切ない 思い出だけを」の低音部も、とても響きが綺麗です。
Kiinaは高音だけでなく低音も魅力的なのだだということを改めて認識させてくれる部分になっています。
Kiinaご自身もレコーディングの出来栄えに満足していたような気がします。今回のカバー・セレクションにも選んでいましたね。