アルバム7曲めからはカバー曲です。昭和8年発表の松平晃さん「サーカスの唄」。Kiinaの歌唱はこちら↓
https://m.youtube.com/watch?v=k1_CZFAygmY
歌詞はオリコンより。
https://www.oricon.co.jp/prof/246399/lyrics/I108016/
いわゆる懐メロの中で「青い背広で」と並んで大好きな唄です。
ままずは歌詞。そしてKiinaの歌唱。
この曲は、昭和8年、世界一の動物調教を誇るドイツのハーゲンベック・サーカスが来日し、日本国中で異常な人気を得たことから作られたそうです。日本ではそれまで曲馬団と呼んでいたものが、これを機にサーカス団と名乗るようになったとか。
「サーカス」という響きも新鮮だったのですね。
西条八十さんの歌詞、「月も冴えます 心も冴える」や「朝は朝霧 夕べは夜霧」といった対句の巧みさを見ると、「本当に言葉を操る天才だなぁ」と思います。きっとさほどの苦心をしなくても、こういった言葉がスルスルと湧いて出てくる方だったんでしょうね。
そして、Kiinaの歌声。サビの「とんぼがえりで 今年もくれて」の声がたまらなく好きです。伸びやかな高音の中に不思議な甘さとそこはかとない哀感が感じられます。
Kiinaの歌声を宝石に喩えると、透明で冷たいダイヤモンドではなくホワイトオパールの感じかな?と思います。
石の中に様々な色の結晶が閉じこめられて、光の当たり具合や見る角度で色々な世界を見せてくれるような。
「サーカスの唄」は、Kiinaは何度かステージでも披露していますが、少しコブシが入り過ぎているかな?
素直に歌い上げたこのアルバムの「サーカスの唄」が、私は一番好きです。
余談ですが、ノンフィクション作家の沢木耕太郎さんが東北新幹線のフリーマガジン「トランヴェール」に長い間「旅のつばくろ」というエッセイを寄せてらっしゃっていて、実家に帰る新幹線で沢木さんの旅の物語を読むのが楽しみでした。