アルバム7曲めは、オリジナル曲の「母恋しぐれ笠」です。KIINA.の歌唱はこちら↓
歌詞は歌ネットより。
オリジナル・コレクションVol.02〜時代物&音頭の世界〜」にも収録されています。
「股旅ものが好きなファンのために作っていただいた」(KIINA.)という、タイトルも内容も思いっきりベタなマイナー調の股旅ものです。
股旅ものと言っても、例えば「ちょいときまぐれ渡り鳥」の明るさとは対極にある、その日暮らしの渡世人の深い絶望感を原文彦先生が描いてくださいました。
「母恋」というフレーズに象徴される強い望郷の思い。でも家を捨て人別帳から外された無宿人にはもはや帰れる場所はありません。
「義理に引かれて 情けに揺れて 故郷は遠くになるばかり」。どこかの旅の先で死ぬまで、そんな日々が続くだけ。
タイプで言うなら「月太郎笠」の系譜でしょうか。
これを歌うKIINA.の歌唱テクニックが見事です。特に、1番の最後「風がおっ母の声になる」のロングトーンが次第に「泣き」になっていく部分など、何度聴いても「お見事!」と舌を巻いてしまいます。
地味なアルバム収録曲ですが、股旅ものでスタートしたKIINA.の面目躍如。
私の中ではKIINA.の歌う股旅もののベスト5に入る、大好きな一曲です。