2018年12月13日、14日に行われた恒例のスペシャルコンサートでKiinaが見せた「限界突破×サバイバー」のパフォーマンスは、後に「限界突破」というワード自体がKiinaの代名詞になるほど世間に衝撃を与えました。
でも、もちろんこの日にいきなりKiinaが激変したわけではありません。Kiinaの心の奥底に眠っていたマグマが地表の真下まで湧き上がってきていたのが、2018年後半だったのだと思います。
その変化に気がついたのは、歌よりもビジュアル〜もっと細かく言えば眉毛の形でした。
10月2日にKiinaは新しいアルバム「新・演歌名曲コレクション8 −冬のペガサス−勝負の花道〜オーケストラ」をリリースしましたが、それとピッタリと重なるように9月30日から10月29日までの1か月間、明治座で「母をたずねて珍道中 お役者恋之介旅日記」の特別公演を敢行しました。
夏前に撮影されていたパンフレットの表紙と
翌年発売されたDVDのジャケ写です。
そう。本来のKiinaはとても凛々しい立派な太眉を持っていて、ポスターやパンフではさらにそれを強調するようなメイクが施されていました。
公演が始まって舞台で恋之介に扮したKiinaは、一見同じ衣装の別人のようです。眉が細くなっているのです。
9月12日に川崎市のカルッツかわさきで劇場公演前最後のツアーコンサートが行われました。
私の記憶では、この時には少し眉が細くなっていたような気がするのです。
「じょんがら挽歌」から始まる最初の4曲を袴姿で凛々しく歌い終えた後、前年のスペシャルコンサートで見せてくれたグリーンの素敵な衣装で始まった「男花」からのリズム歌謡メドレー。当時の私のメモに「アイメイク濃い!」と書いてあります。
よほど強く印象に残ったのでしょう。
翌年FCから発売されたDVDで確かめてみると、スペシャルコンサートの「限サバ」ほどではないにしても、それと同じ系統のしっかりとしたアイメイクになっています。
この当時は、Kiinaが眉を細くしたのは、その方が恋之介のイメージに合うと考えからだろうと思っていました。
ところが、公演が終わってもKiinaは細眉から元に戻しませんでした。
「きよしくん、眉毛が細いまんまなんだけど…」「飽きっぽいから、そのうち元に戻すんじゃない?」
Kii友さんとLINEでそんなやり取りをしたことを鮮明に覚えています。
暮れのスペシャルコンサートに向けて、そして来るべき20周年に向けてのKiinaの並々ならぬ決意と覚悟。
その表明の第一歩が眉の形を変えることだったのかなと、5年前を振り返ってみるとそんな気がしてなりません。
アルバム「靳・演コレ8」の収録曲については、時を同じくして始まった明治座公演の思い出と一緒に振り返りたいと思います。