「股旅演歌名曲選」4曲目です。
https://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCP-30920.html
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/57616/
創唱者は東海林太郎さん。昭和10年公開の映画「東海の顔役」の主題歌として歌われたそうです。この映画は市川右太衛門さん(北大路欣也さんのお父さまですね)主演の清水の次郎長のお話だそうですから、「旅笠道中」は次郎長を歌った曲ということになりますね。
東海林太郎さんは、秋田県のご出身。元々は音楽学校でバイオリンを勉強したかったそうですが、お父様の大反対にあって早稲田大学に進学、卒業後に満州の小さな町の図書館長に赴任するも、一念発起日本に戻ってきてクラシック歌手を目指しました。
ある日レコード会社から渡されたのは「赤城の子守唄」の譜面。高田浩吉さんの主演映画の主題歌として制作されたものでした。
「自分はクラシック歌手。ヤクザの世界は自分には分からない」と断わろうとした東海林さんに、詞を書いた佐藤惣之助さんが「ヤクザになった人間は、皆農家の次男三男。農家も継げなくて生きるために仕方なく徒党を組んでる。これは男の泣ける歌なんだ」
東海林さんは譜面を受け取り、自分はどんな曲もクラシックの唱法を貫いて歌おう、燕尾服でブラームスの子守唄を歌うような気持ちで歌おうと決めたのだそうです。
Kiinaを演歌に導いてくださった本間先生が、東海林さんにお会いした時に「歌は心で歌うものですよ」と教えられたと、「きよしへ」の中で書いてらっしゃいましたね。
建て替える前の秋田県民会館の裏手に「赤城の子守唄」の歌碑がありましたが、今はどうでしょうか。
東海林さんには同県人として格別の思い入れがあるため、ご紹介が長くなりました。これでもだいぶ端折りましたσ^_^;
で、その東海さんが歌われた「旅笠道中」に戻りますが(笑)、「そうか、これは次郎長の歌だったんだ」と分かっただけで、自分の中の次郎長のイメージで聴くことが出来ます。
Kiinaの自然体の歌唱、特によく響く低音部の音の伸ばしが気持ちよいです。
チャレンジステージのリハーサル風景。「旅笠道中」2コーラス目の歌い出しで中断になって、カメラに気がついてこちらを見ていましたね。「旅笠道中」というとKiinaのあのお顔が目に浮かびます。