家族で出した答えは、安楽死です。
でも、病院ではなく
せめて天ちゃんの安心している自宅で逝かせてあげたい。
と言う気持ちで病院に連絡したら
その日は担当の先生がお休みで
「胸水を抜く事は出来ますが
安楽死は担当の先生と相談してもらわないと出来ないんです」
と言われてしまいました。
またこの苦しみの中、
いやもっと苦しむ中 翌日まで我慢させるの?
でも確かにまだ助かる方法があるかもしれないのに
飼い主が早まってしまってるのかもしれないし
でも目の前で溺れかけてる子を翌日までほっておけるわけない。
胸水抜けばいいのかな?
酸素濃度も50%とマックス
これ以上できる事もないし・・・
という事で
安楽死を視野に入れ別の病院を探しましたが
どこも往診で対応してくれる所はありませんでした。
唯一1つだけ対応してくれる所がったけど
3日後と言われ・・・却下
仕方がない、病院に連れて行こう。
そして、まずは胸水を抜いたらどうなるかを相談し最終判断を下そう。
と酸素室に酸素を充満させ
ハウスごと車に乗せ、
簡易の酸素発生器(かなり出力は弱いです)も乗せ出発。
何とか無事病院に到着し
エコーで今の様子を確認したら、
ここで初めて知ったんですが
左肺は全て癌に侵され全滅状態
右もかなり侵食し、胸の真ん中にあるはずの心臓が右わき腹に
そしてほんのわずかな隙間の肺に胸水が溜まってる状態だったんです。
先生に胸水を抜いたらどのくらい抜けそうですか
と聞くと
「20ccくらい」
たったそれだけ?
しかも
「癌も大きくなるので
多分この後も毎日抜きに来なければならないだろう、
そして抜いても酸素室から出す事は出来ないでしょう」
と・・・そして
「今日は胸水を抜いて、抗がん剤を始めれば良くなるかもしれないけど
抗がん剤を使っても余命1ヶ月
ステロイドで様子を見ても1~2週間の命ですね」
と言われるくらいもう癌が大きすぎる状態のようでした。
天ちゃんにとって胸水を抜く事は
分けもわからず針を刺され地獄の苦しみ。
それなのに楽にならない
それを毎日?
しかも酸素室から出られない余命なんて
生きてるというより、苦しみと恐怖の中生かされてる
と言っても過言じゃない状態です。
心を決めました。
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でも言えないんです。
だって、その一言を言ったら
天ちゃん、今日ここで死んじゃうから
でも天ちゃんを救うため、声を絞り出すように
「安楽死をお願いします」
この一言を発するまでは、泣く事を我慢してたけど
涙が止まらなく、溢れ出し立っているのがやっとでした。
治療を進めてた先生も承諾して下さり
安楽死する事になりました。
しかし、
「天ちゃんを処置室に連れて行くのでここでしばらくお待ちください」
と言うんです。
それは絶対いや!
どんなに辛くても、腕の中で見送りたい
と先生にお願いし、
先生も院長にお願いしてくださり、診察室で行う事になりました。
そして薬が用意され、血管確保し
鎮静剤を投与した瞬間眠り
「今眠りました、麻酔を入れていきます」
と麻酔を注入し、多分10秒くらい
心臓が止まりました。
全てが終わるまで約15~20秒くらいだったか
あっという間の出来事でした。
最期は天が大好きだったお兄ちゃんに抱かれ逝ったんですが
初めは苦しく全身に力を入れ固まってたけど
急に力が抜け
あ、今眠ったんだな
とわかったそうです。
「今心臓が止まりました」
と言われた瞬間は、悲しいというより
良かった、天ちゃんを救う事が出来た
と言った気持ちの方が大きかったです。
不思議ですね、殺したのに救ったなんて・・・
2022年2月17日 永眠
安楽死、人が命の期限を決める行為です。
もちろん人間では法律で禁止されてますし、
人によっては宗教や倫理観から反対する人もいます。
私も出来る事なら自然に逝く事が望ましいし
それが自然の掟と思ってますが
こんなに苦しんでるのに自然もへったくれもない、
楽にさせてあげたい、この後続く苦しみから解放してあげたい。
そんな一心でした。
この記事は安楽死をすすめる物ではありませんが
安楽死を選んで後悔してる方、罪悪感を抱えてる方
これから同じ状況を経験するかもしれない方への参考になればと思います。
このブログでは、天ちゃんの楽しそうな様子や仔猫時代の事など
いろんなことを織り交ぜながら書いていこうと思ってたけど
蓋を開けたら、辛く悲しい記事ばかりになってしまいました。
そして天ちゃんの猫生と同じ短いものにもなってしまいましたが
この先も、何かの検索で引っ掛かり
同じ病気で苦しんでる猫ちゃんの参考になればと思ってます。
天ちゃんはあっという間にお空に帰ってしまいましたが
エビデンスを無視し、癌が発覚しても7年8年生きている子もいるそうです。
猫ちゃんも飼い主さんも諦めないで、
そしてどんな治療を選択しても後悔しないよう
エールを送り、このブログも幕を閉じます。
短い間でしたが、ありがとうございました。
おやすみ、天ちゃん