その日、
保育園の役員は奉仕作業があって、
5歳の三男はばあちゃんに預けて作業だった。
終わって帰宅、
ホッとしてテレビをつけたら速報と津波の映像。
呆然とするのと、
心臓が暴れて息苦しい感じと、
家に一人でいるのがすごく怖かった。
しばらくして、
石巻から避難してきた男の子が、
三男と仲良しになった。
地震で避難してきたんだって。
お母さんと二人でばあちゃんちに来たんだって。
三男経由での情報はそれだけだったけど、
それ以上のことは何も聞かずに、
毎日一緒に学校に行き、
帰ったら宿題を持ってうちに来て、
いっしょに5時まで遊ぶ。
時々不安定になるひろくんは、
次の日になると何もなかったように「おはよう」とやってくるし、
時々会うおかあさんは、
ずっと口数が少なくて最後まであまり話さない人だった。
しばらくして、
石巻に帰るんだってバイバイしたね。
楽しい思い出となんだか寂しい雰囲気が忘れられないけど、
遠くの地震を身近に感じられたのは、
ひろくんと過ごした時間があったから。
会えて良かったけど、
もしかしたら、
会えない方が良かったのかな。。。と思ったりね。
もう18歳になった二人。
おばちゃんは二人の楽しそうな声を忘れてないよ。
また会えますように。