はい、2日目のレポートです
専門的な事が多かったので
飼い主さんの立場から聞いて頂きたいものを
まとめましょう
今回の目的はある学会大会への参加で、
外国人の先生の特別講演を中心として
最後には日本の動物病院における
動物理学療法の実際(症例検討)もありました。
私は2日目のみ出席でした
もらった抄録集を見てみると
1日目にも興味深い講演があったようで
全部聞いてみたかったです。
私が聞けたのは犬の
いわゆる「スポーツ障害」に対する
欧米での理学療法の実際。
多発しているものには
◎腱板損傷(肩甲骨~上腕骨部の筋肉)
◎肩関節不安定症(肩関節を安定化させる腱・靭帯)
◎大円筋の障害(肩甲骨~上腕骨部の筋肉)
◎腸腰筋の障害(脊柱・骨盤内側~大腿骨の筋肉)
の4つが挙げられました。
(日本でどの程度多いのかは不明です)
いずれも解剖学・運動学・
生理学的知識に基づくお話は
割愛させていただきます。
先生がお話しした中で
私がみなさんにも聞いて欲しかったことは、
これらの障害は
「過用=使いすぎ」によって発生している例が
ほとんどであるということ。
飼い主が熱心であればあるほど
競技の練習にも力が入り、
急停止、高速での方向転換、
着地などによって起こる
機械的ストレスがかかりやすくなります。
先生によると
●ウォーミングアップ、クールダウンのウォーキングを設ける
●過度な反復をしない
●オフシーズンには他のエクササイズを取り入れる(例えばアジリティを休んで泳ぎ)
などで予防を期待できるようです。
スポーツ障害を起こしやすい競技には
☆アジリティ
☆フライボール
を挙げていました
スポーツ障害はとても再発しやすいとのこと。
つまり、犬を優秀なまま維持するのは飼い主次第
では後半の症例検討ですが
これも難しい話が多いので
どこから切り込んでいいやらわかりません
みなさんにも伝えられることといえば、
◎動物理学療法はまだ体系化されてないこと
→リハビリには時間と人員を要する(看護師2人以上が着きっきり)
→でも料金を高くしてしまうと利用してもらえなくなる
→また、獣医師の責任の下、指示に基づき職員と飼い主がチームを組んで実施せねばならない
◎飼い主へのホームプログラムの指導とモチベーションの必要性
でした。
つまり、リハビリとは厳密なリスク管理の下で
行われなければならず、
職員や飼い主独自の判断で
再発や事故を起こしてはならない。
速効性のある治療ではないので
通院が必要になる。
まだ動物の理学療法が体系化されてないため
動物病院の職員さんたちが
時間と人員を割いて取り組んでも
今のところ経営側に大きなメリットもなく
現状では飼い主さんと患者(わんこ)の回復という
目的のためにひたすら頑張っている
といった印象でした。
海外では国間の差はありますがそれぞれで
動物理学療法が確立されており
まだ日本では認識が低いと思われます。
日本中の獣医さんが動物理学療法に対する
認識を深めていってくれれば
病気や老化で弱くなった体を
適切な管理の下でリハビリしてあげられる、
そういう時代になるのではないかと思いました。
長い記事に目を通してくださって
ありがとうございました
(誤字ありませんでしたか?ユーオスさん(笑))