昨夜(4月27日)は激しい雨にも関わらず30人以上のアボジ・オモニ・ソンセンニムが
1年1組の教室に集まり、共和病院 小児科医の金学良ソンセンニムのお話を聞くこと
ができました。みなさん、スゴハショッスンニダ。
お話いただいたことを、この記事で簡単にまとめてみたいと思います。
1. インフルエンザでタミフルを使うのはやめましょう
(1) インフルエンザは怖い病気ではない
インフルエンザウィルスに感染した人の10~60%、平均で3分の1は無症状。
無症状でも免疫はきちんともらえます。
仮に高熱が出たとしても1、2日の辛抱で治ってしまいます。
効くかどうかわからないワクチンより、自然感染したほうがよほど次の感染機会
に対する予防になります。
(2) 病院でタミフルを処方されても使わないように
タミフルはアルコールや睡眠剤、麻酔剤とよく似た作用があり、少量で眠くなり
逆に興奮し異常行動を誘発したりします。
タミフルの最大の問題は「急速に熱を下げてしまう点」です。
熱をあげるのは免疫が正常に働いている証拠。
無理に熱を下げることで、「身体が熱をあげることで果していた役割」を殺いで
しまい、インフルエンザを重症化させたり、異常行動を起こさせたり脳症を発生
させたりしています。
(3) 愛情がいちばんの特効薬
Q
インフルエンザ感染が怖くないのであれば、「完治」せずとも学校に送っていい
のですか?
A
感染そのものを怖がらずともいいですが、やっぱり子どもの身体はしんどいはず
なので、4~5日は家で休ませるのが大事。
その際、市販の薬に安易に頼るのはよくない。
何がいちばんよく効くかといったら、やっぱり「親の愛情」です。
風邪を機会に、ゆっくりと絵本を読んであげたり優しい言葉をかけてあげるのが
一番です。
(4) 救急病院は出来れば行かないほうがいい
救急病院は、医者が疲れていて診療ミスも多いので、よっぽどのことがない限り
あまり行かないほうがいいです。
但し、機嫌がもの凄く悪いとか、嘔吐が激しいとかは行ったほうがいいです。
2. ヨードでうがいしないように
ヨード剤によるうがいは粘膜傷害を引き起こすのでやめたほうがいいです。
イソジンなど市販のうがい薬に含まれているヨードは、殺菌しているのではなく
のどの粘膜を傷めているだけです。
うがいは水やお茶で十分です。
3. スポーツドリンクは糖分が多すぎるので飲まないほうがいい
(1) 脱水患者にもスポーツドリンクをすすめはいけません!
糖分濃度が高く、塩分(ナトリウム・カリウム)濃度が非常に低いため
脱水症状で失われるミネラルを適切に補給できないからです。
(2) 飲むのであれば、3倍に薄めて塩をひとつまみ
とはいえ、糖分がまったく不要といっているのではなく塩分とのバランス
が大事です。飲むのであれば、スポーツドリンクを3倍に薄めて塩をひとつまみ
入れてから飲むとよいでしょう。
(3) セミナーでは薄めてはいけないと言いますが、それは売るためです
Q
スポーツドリンクのメーカー主催のセミナーでは、スポーツドリンクはそのまま薄めずに飲んでください。
適切な成分になるように作っていますので、と言われます。
A
単に売れなくなるからです。
(4) 運動後にスポーツドリンクを飲んだあとは、うがいしましょう
スポーツをした直後は唾液が出にくくなっているので、スポーツドリンクの糖分の
影響を、歯がもろにうけてしまいます。
運動後にスポーツドリンクを飲んだら、必ず一口うがいしましょう。
5. 外傷は、消毒せずに「湿潤(うるおい)治療」で!
(1) 消毒とガーゼ
従来の消毒薬の多くは細菌を殺すだけではなく、人体の細胞も破壊してしまう
ため、かえって治りが遅くなることが知られています。
また、ガーゼなどの医療材料は傷口にこびりつき、無理にはがすとかえって血
が出ることもあります。
対して湿潤(うるおい)治療は、よりからだへの負担が少ない治療法として確立
しつつあります。
(2) 湿潤(うるおい)治療の基本
STEP1 水道水で傷口を洗う
STEP2 水気をふきとって、血が止まるまで手で押さえておく
STEP3 ラップに白色ワセリン(プロペト)をぬり傷口にあてる
STEP4 絆創膏などで動かないようにとめ、必要であれば包帯をまく
STEP5 一日一回、暑い季節なら一日2~3回交換。
その時に傷周辺を洗う。入浴もOK
GOAL つるつるの皮膚ができたらおしまい
(3) 注意点!
- 消毒はしない(オキシドールやヨード剤など)
- 傷口は乾かさない(傷を乾かすスプレーなど)
(4) 湿潤(うるおい)治療ができる条件
湿潤治療ができる条件は
- 傷口に異物がない
- 感染対策ができている
ことです。
たとえば、死んだ組織のかたまりである壊死組織が傷口に付着したまま
ラップをはれば悪化します。
感染をおこしそうな傷、たとえば動物に噛まれた傷は、とくに注意が必要
です。そのときはすぐに病院にいきましょう。
(以下、予告記事)
4月27日(水) 19:30~トンチョ1年1組の教室にて
共和病院小児科の金学良ソンセンニムをお招きし
子どものための医療セミナーを開催しました。
テーマは
1. ケガの予防と対処
2. 熱中症の予防と対処
3. 夏に強い体質にするための生活と食事
以前、東大阪支部の同胞セミナーでセミナーに参加したのですが
金学良ソンセンニムの話で、目からうろこが本当にたくさんとれました。
アボジ・オモニ、誘い合わせて集まり、共に勉強しましょう!