「紀元を超えて」
金晶から電話で「また橋にいたの?」と聞かれる湘湘。「そうよ」と答えた湘湘が、ふと手を見ると、一瞬ぼやけてから指輪が消える。指輪があったことすら、湘湘はもう覚えていない。
湘湘は気付かないが、フォトフレームに入っていたツーショットの写真からも公明は消えてしまう。
パーティーへ行った湘湘は、于飛から声をかけられる。早くいい人をつかまえるように言う湘湘に「その気はない。今だって君の帰りを待ってる」と返す于飛。しかし湘湘は相手にしない。
監督とも久しぶりに会う湘湘。監督は「ドキュメンタリーを製作中の友人が、君をゲストに招きたいそうだ」と湘湘に話す。
湘湘は金晶と暁南と一緒に監督の友人と会う。その監督が制作する作品のタイトルは「許皇后の秘史」で、湘湘にはナレーションをしてもらいたいと言う。金晶はやんわりと断わろうとするが、湘湘は「いいわよ。“許皇后の秘史”なんて断われないもの」と言って引き受けてしまう。
湘湘は「“秘史”ってことは、成帝以外の相手がいると?」と監督に聞く。監督は「そう。他に相手がいてね。最近、新たな発見があったんだ」と答える。
監督はパソコンの画面に映し出された2000年前の前漢末期の竹簡を見せながら「保存状態があまりによすぎて学会では論争になってね。一般に竹簡は水を使い保存するが、この竹簡は特殊な漢方薬材を用いている。よほど重要な情報を後世に伝えたかったのだろう」と説明する。「重要な情報って?」と湘湘が聞くと、監督は「問題はそこだ。内容はラブレターでね」と言う。史書に記載のない公明という人物で、どうやら皇后の腹心で復位を手助けしたらしい、また野史によけば衆人の前で矢に射られて死んだとか、そこで今回、彼とラブレターに注目したと。
湘湘は「許皇后宛てとか?」と言う。「“湘子”という名が書かれていた。恐らく愛慕の丈を示した呼称なのだろう。皇后のそばにいるうち、情が生まれたんだ。“公明からの愛”という切り口で紹介したい」と話す監督。
ヒゲも生え、以前とは違う風貌となった公明は、竹簡を箱に入れると、特殊な漢方薬材をつけ蓋をする。
街で公明は「この国もお先真っ暗だな。外戚の王が権勢を振るっている」「陛下は趙氏に溺れ、政務を顧みない」「だが幸いにも王一族に聖人君子がいたことは救いだ」「新都侯の王莽か?」「高潔で古きをよしとし礼を重んじる人物だとか」「だから民からの尊敬も集めている。王氏の中に清廉の士がいたとはな」という男2人の会話を耳にする。
公明が屋敷へ戻ると、王莽が来ていた。公明の姿に「その変わりようは何だ。誰かと思ったぞ」と驚く王莽。
影月が死んで以来会う王莽に、象戯(しょうぎ)をしながら公明は「王一族に重視されてるいると聞いたぞ。時勢は象戯のごとし」と言う。王莽が「私は、また権力を握る」と言うと「つまりお前が皇后の復位を阻んだのか」と聞く公明。王莽は「許氏は復位のため淳于長に賄賂を贈った。知らぬだろう」と話す。「それはあり得ない。またも、お前の筋書きか?」と公明が言う。
うなずき「そう。許氏の姉が軽率だったおかげでもある。程なくして許氏は毒酒を賜る」と言う王莽。公明は「やはり歴史は変えられなかったか」と言う。
「死んだ人間が、まだ許氏を守ると?」と王莽が聞き、公明は「私を絶望させるために、やってきたのか?」と返す。直接伝えたのは決別の前にお前に義を尽くすためだと王莽は言う。もう1つ、淳于長を弾劾したことで陛下は再び私に信頼を置いた、どうやら漢の膿を出し切る日は遠くない、と。「どうしても、やるのか?」と言う公明。王莽は「考えを変える気はない」と答える。
「王莽、知己として聞いてほしい。諦めてくれ。影月のためでもいい。彼女が生きていれば止めたはずだ」と公明は説得しようとする。しかし王莽は「幼き頃、我らは兄弟同然、時に兄弟以上だった。もし我らが大義と志を同じくすれば争いなどなかった。だが今となっては説得も無益だ」と言う。公明は「今でも、お前と私は知己だぞ」と言うが、王莽は「違う。私にとって知己の公明は影月の死と共に去っていった」と返す。そして「今日は我らの決別の日、これからはお前のことも影月のことも、すべて忘れる」と言う王莽。公明は目を伏せてうなずく。
「公明は妖術を使い許皇后を助けた。これにより許皇后は宮中で立場を失い、漢の成帝は公明の射殺を命令、公明が皇后に忠誠を誓ったのは、正統を重んじ、漢を守るためだった。だが最近、公明が書いたとされる竹簡が人々の注目を集めている。“許皇后の秘史”。この竹簡には名もなき者に対する公明の深い愛情と離別の悲しみが綴られていた。当時の状況を推測するに公明が深く愛したとされる人物は許皇后だろう」と湘湘がナレーションした後、男性が“君へ送る最期の文…”と竹簡に書かれた文を読み始める。それを聞いているうちに悲しい気持ちになってしまう湘湘。
公明が当時、住んでいたとされる場所で撮影が行なわれることになる。散歩へ行った湘湘は、あの橋へ。
一方、漢にいる公明も橋の上へ来ていた。
公明は見えないが、なぜか涙がこぼれる湘湘。その涙を拭きながら、湘湘は「どうしちゃったの?」とつぶやく。「始めるぞ」という声が聞こえ、湘湘はその場を後にする。
そんな湘湘が見える公明。去って行った湘湘を見ていた公明は、とめどなく涙が溢れてくる。
久しぶりに張の元を訪ねた公明は、許皇后の賄賂のことや、そのうち死を賜ることを王莽から聞いたと話す。「これでよいのか?」と聞く張。公明は「影月が死に皇后が復位できぬのも、すべて私が原因です」と返す。張は慌てて「違うぞ。歴史において人は逝くもの。お前一人の力では、その流れは変えられん」と言う。「日夜、考えます。王莽を救いに戻らなかったとしたら、歴史はどうなっていたか。影月は生きていて、私はあの娘のそばにいた。王莽は漢王朝を倒す野心を持たず、一族に抹殺されたかと。何が正しい道なのか」と言う公明。
いつ皇后が毒酒を賜ると思うか公明から聞かれ「王莽に確信があって伝えたとすれば勅命は近かろう」と張は言う。公明は許皇后の子供を心配する。「安心せよ。許皇后は誰にも知られず皇子を産んだ。既に皇子は劉氏の遠縁に託しておる。出自も告げておらん」と話す張。
公明は皇子に会いに行く。1人で遊んでいた皇子に「母君に似ておられる。拙者は公明、あなた様の名は?」と聞く公明。皇子は「お恥ずかしい。私は済陽県令の子で、名を劉秀(のちの光武帝)と言います」と言う。「劉秀?あなた様が?」と公明は驚き、叩頭する。
公明は湘湘を想ってしためた文を張に差し出す。「後世に残るかはともかく、残しておきたかったのです」と話す公明。張は「なぜだ?」と聞く。しかし、すぐに公明がこれからしようとしていることに気付く張。公明は「はい、決意しました」と言う。私は漢では死んだ人間、すべてが終わった以上、思い残すことは何もない、苦しんで生きながらえるより楽になりたいと。張は涙を流しながら「影月に会ったら、よろしく伝えてくれ」と言う。
公明は未来で張の末裔と会ったことを話す。「私の悩みを解決してくれました」と公明が言うと「さすが私の子孫だ。よきかな、よきかな」と張は言う。「この世でも未来でも、先生の教えを受けました。先生への感謝の念は、決して忘れません」と公明は頭を下げる。
許皇后が毒酒を賜る。
最優秀女優賞にノミネートされた湘湘は会場へ。しかし湘湘はドキュメンタリーの仕事をしてから、ずっと気持ちが落ち込んでいた。
控え室で湘湘は「いつの間にかつらくなってる。すぐに心が痛むの」と沈んだ顔で金晶と暁南に話す。
今日はドキュメンタリーが放送される日だと湘湘が思い出し、暁南がTVをつける。
身支度を整えた公明は、橋の上へ来ていた。左腕に巻かれた赤い紐を見て「すまぬ、約束を守れなかった」と言う公明。公明は泣きながら、紐をほどく。そして、その紐を橋から捨てる。
ドキュメンタリーで読まれていた公明の文。その声がいつの間にか公明の声に変わって聞こえ、涙を流す湘湘。
発表前のインタビューに答えていた湘湘は、以前、レッドカーペットの上にいた自分の前に公明が現れ「遅れてすまない」と言って指輪を渡された時の記憶がよみがえってくる。駆け出し、湘湘は公明を捜す。
“無用な私を許せ。君の一生を空しくした。来世あれば、死しても諦めずと君に説を成す。来世なくば、死しても、我、独り君を想い続ける”そう思った公明は橋から身を投げる。
橋の上まで駆けてきた湘湘は、公明の名を呼ぶ。しかし公明からの返事はない。
湘湘が橋の上からのぞくと、水中に赤い紐が。
橋から飛び込んだ湘湘は、沈んで行く公明の手をようやくつかむ。公明を抱きながら水面へ上がっていく湘湘。
結婚の写真を撮りながら「玉佩もないのに、どうやって来たの?」と湘湘が聞く。「私にも分からぬが、赤い紐が見えた」と公明は答える。湘湘が「私が水中に漂う赤い紐を見つけたのよ」と言う。公明は「君のおかげで戻れたのかもしれない。湘湘の強い愛が、時を超えて天に訴え、奇跡を起こしたのだ」と話す。
「だから天意に従い、無条件で私を大切にして」と言う湘湘。公明は「私、公明は、君を守るとここに誓う」と言う。
公明が「主演女優賞の夢がかなったのに、授賞式に出られず恨んでないか?」と聞く。「まさか。また受賞すればいいわ。でも、おわびとして、一生、私を深く愛してね」と言う湘湘。「もちろんだとも。2000年も君を愛しているのだからな」と公明は言う。
ーおわりー
終わってしまいました…。
20話だったけど、週1だと長く放送していた感じがしますね。
毎週見ていたドラマが終わるのは、やっぱり寂しいかも(;-;)
湘湘も来ていた橋の上で、公明が本当に湘湘を見えていたのかは分からないのヾ(・ω・`;)ノ
でも、公明の様子から見えている感じがしました。
歴史を変えることはできなかったけど、2人の運命には必要だったことで…。
許皇后の産んだ皇子と公明が会うことができてよかった(;д;)
玉佩も壊れてしまって一体どうなるの!?と思ったけど、ハッピーエンドでした♪
最後の「2000年も君を愛しているのだからな」がよかったー!!(*´ー`*人)
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みなさんのおかげで最後まであらすじを書けました。
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私もうささんのおかげで完走できました。ありがとうございました。
公明と湘湘がハッピーエンドになって良かったです。
どうやって現代に戻るのかと思ってました。
赤い糸ならぬ紐だったんですね。
え、結婚式の写真にすっ飛んでこれで終わり?とちょっと拍子抜けしましたが
ほんわか
公明と湘湘が再び会えて本当によかったです。
ラストはちょっと意外ですけれど、
公明の思いは本当に深かったのですね。
張先生はどんな時も前向きなアドバイスをしてくれていたのが、印象的でした。
最後まであらすじお疲れ様でした!