高齢者のケアで気をつけること

介護士が知っておくべき「転倒」について

介護施設で起こる転倒事故の事例

2024-03-27 12:21:52 | 転倒事故

施設で起こる介護事故の中で多いのは、転倒事故です。利用者は高齢者のため筋力や視力が衰えていたり、バランス感覚も低下しています。ベットから立ち上がろうとしたときや、補助無く自分で歩行しようとしたり、方向転換をする際にバランスを崩して転倒してしまうなどがあります。

また、不意に声をかけられて振り向いたときなど、驚いてバランスを崩すことも考えられます。さらには、筋力の衰えから車椅子やトイレから立ち上がるときも、思った以上に力が入らずに転倒することも考えられます。これらは本人でも調整の利かない体の老化が要因になっていることが多いため、介護者がいくら注意していても、起こってしまう可能性のある転倒事故です。

たとえば、移動する動線上に物が置いてあり、避けようとしてつまずくなどは、生活環境における外的要因であるといえます。施設側が転倒防止対策を怠ったという考え方も出来ます。

ちょっと目を離した隙でも、大変な事故に繋がってしまうことがあるので、内的要因であってもできるだけ防ぐことが出来るようにする努力が必要です。

そのように気をつけていても、もし転倒事故が起こってしまったら、利用者の家族に迅速に説明と謝罪をします。その場合、説明には専門用語を用いることは避け、皆が分るように説明することが大切です。利用者やその家族が不安を残さないように、誠意ある真摯な態度で転倒事故に対応しましょう。そして再度同じ事故が起きないように、対策と防止に努めていきましょう。


知っておくべき高齢者の転倒リスク

2024-03-11 12:21:52 | 危険

高齢者であれば一度は転倒した経験があると言われるほど、高齢者にとって転倒は身近な危険です。そして、転倒した高齢者の約1割が骨折するという心配なデータもあります。介護者は転倒のリスクについて理解しておくことが大切です。

高齢者はバランス感覚や筋力の低下によって転倒しやすくなっていますが、同時に骨密度も低下しているため転倒時に骨折しやすくなります。特に女性はホルモンバランスの関係で、骨粗しょう症になりやすく、ちょっとした衝撃でも骨折に繋がってしまうケースが少なくありません。

高齢者の骨折部位で特に多いのが太ももの付け根です。一度折れてしまうと、完治するまでに長い時間を要し、その間安静にしていなくてはなりません。治療の間動かしていないと、足腰の筋肉は張りを失くし、歩くための筋力が衰えてしまいます。酷い場合には、そのまま寝たきりの状態になってしまうことも少なくありません。

転倒時にケガをした意識がない場合でも、しばらく痛みを伴っている時にはなるべく早く病院で診てもらいましょう。大腿骨を骨折していると、呼吸困難など深刻な状態に陥ってしまう可能性があるためです。骨折したかもしれないと思った時には、まず安静にして患部が痛くない姿勢で救急車を待ちましょう。痛みを伴うのであれば、患部を冷やし心臓よりも高い位置に上げておきます。そうすると内出血や患部の症状悪化を防げます。

日常生活を普通に送っているだけでも、突然痛みが発生することがあります。何か異常が起きた時にすぐに伝えられるように、利用者の家族や近隣の人と日頃からコミュニケーションを取っておきましょう。ほかにも介護士が知っておきたい転倒についての知識は、こちらのサイトにも掲載されています。