再入院して3日目、前回入院した時の部屋とは反対側である。前回は、窓から田園と新幹線の田圃の中の高架橋が見えたが今度の部屋からは見えない。病室に居ても誰と話す事もなく、話すのは、検診にくる看護師さんや回診の先生だけである。夜になるとベットに横になり天井を見上げている。杉さんあなたが旅立たれてもう3ヶ月に成るんですね。4月4日に杉さんの奥様から旅立たれたとのメールを頂いた時の事を想いだします。声は出ず涙が止まりませんでした。今、私も再入院し新しい治療を始めました。僅か2週間ばかりでしたが一緒に入院していた時、杉さんの体調が良い時に病室を出て1階のホールに行き陽だまりの中で珈琲を飲み他わいもない話しをするのがとても楽しかったです。私より1週間早く退院して行き、私が退院したなら一緒に珈琲飲みに行きましょうと話していたのに最後にお会いしたのが私が通院治療の日で、杉さんが再入院の日でした。
今、夜の灯りを消して手元だけの灯りでこの日記を病室で書いています。身寄りのない独り身の自分ですが、部屋で独りで過ごす時より病室で誰とも話さいのがとても寂寥感に苛まれます。余計、杉さんと同室の日々が思い出されます。杉さん 、どの辺りまで進みましたか?東北地方の人は恐山に向かい、関東の方は神奈川の大山に向かうと聴きましたが杉さんは何方に旅をしているのでしょうか。
今日は、抗がん剤の点滴の副作用なのか昨夜は1時間半に1回の小水に行き朝迄眠る事が出来ず、昼何とか少しだけ睡眠をとる事が出来ました。然し乍ら朝から下痢気味で1日で3回もトイレに行く様でした。お腹の臍の周りがツッパル様に重苦しく痛く、3回目のトイレで少し軽くなりました。只、右肩のリンパ節のコリが少し固く肩が凝った様な状態で、夜中に、湿布薬を肩と足の土踏まず、胸に貼り気分が落ち着く様にして横になっていた、看護師さんに痛み止めのオキノームを貰うまででも無く、身を委ねていた少し大袈裟かな。
これでも食欲は有るから自分に変である。
あ・֊・、忘れていました。杉さんの後に退院して家に帰った時、今までなん10年も動かなかった時計が突然動き出した。それで慌ててベルトが壊れていたのでホームセンターでベルトを取り換えてもらい使用していたが杉さんの奥様から旅立ちのメールを頂いてから5月に入り動かなくなりました。レヴュートーメンと言う手巻きの腕時計ですが、不思議な事があると今も思っています。杉さんとても悲しかったよ寂しかったよ、余り嘆いて居ても杉さんの足でまといになるから、私は今の病気を少しでも良くして周りを元気に散歩したいと思っています。