ハイブリッド・ティーはラ・フランスから始まった
19世紀半ばから、完全な四季咲きの大輪のバラを目指して、育種家達の挑戦は続いていた。その様な試みの中で、遂に初めて完全な四季咲き性を持つ、大輪のバラが発表された。1867年にフランスのギョーによって作出された「ラ・フランス」です。発表当時から新しいスタイルのバラとして人気はあったものの、まだ新系統として認められなかったが、その後の品種達の功績もあり、イギリスのベネットによりようやく1893年に「ハイブリッド・ティー」として認められることになった。その後、ペルネ・デッセによる黄色いバラの作出や、フランスのメイアンのピースに代表される巨大輪など、多くの歴史的な試みがなされ、現在では世界中で花の女王としてその地位を不動のものにしている。(姫野ばら園八ヶ岳農場HPより)
◉記念すべ き “ラ・フランス” ハイブリッド・ティー第1号. 中之島バラ園
◉ハイブリッド・ティー系統は、ハイブリッド・パーペチュアル系統とティー系統の交配により誕生した。最大の特徴は
☞完全四季咲き性
☞木立性樹形で自立する(ブッシュ)
☞花茎の先に大輪の花を1輪咲かせる
☞花形は高芯咲き(・丸弁高芯咲き ・剣弁高芯咲き ・半剣弁高芯咲き)
☞ティーの香りをもつ
ラ・フランス以降に作出されたバラを“モダン・ローズ” (現代バラ)とも呼ばれる
代表的な大輪
◉ピース Peace. 作出: 1945年 フランス メイアン
◉ミッシェル・メイアン Michele Meilland. 作出:1945年 メイアン
◉パパ・メイアン Papa Meilland. 作出:1963年 メイアン フランス
今春バラの写真を撮ったが、ハイブリッド・ティー(HT)系統が最も多く、次いでフロリバンダ(F)系統である。両者で40%を占める。本ブログにほぼ登録を終了出来た。
系統別に整理できるか?挑戦してみた。重複を避けて約520種とまずまずでした。
◆モダン・ローズは殆どが木立性樹形です。しかし、木立樹形の枝変わりで現れた“つるバラ” 種も多くあります。所謂、クライミングローズです。
バラの花名で、花名の前に「つる」の表示があるものは枝変わりで、つるバラに区分されます。従って、四季咲きは失われます。 略記号ClHT
◉一例
つる. ピース Cl. Peace 系統: ClHT. クライミング・ハイブリッド・ティー系統
作出: 1949 アメリカ
交配 ※Peace(HT)の枝変わり
樹形: つる性
開花: 一季性
◉ハイブリッドティーは、新品種誕生の貢献しています。
◆ハイブリッド・ティー系統とポリアンサ系統の交配により、フロリバンダ系統が誕生しています。
◆ハイブリッド・ティー系統とフロリバンダ系統の交配により、グランディフローラ系統(Gr)を誕生させています。
この様に、モダン・ローズ時代において、ハイブリッド・ティーの役割・貢献は非常に大きなものになっています。
◉バラの系統図の概要です。紙面の制限で一部書ききれない点ご容赦のほど🙇🏻