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バラの花を追っかけるシニア

バラの系統《D》 ダマスク系統とは?

ダマスク系統は
ロサ・ダマスケナを交配の親とする香り高いバラ
紀元前400年ごろの歴史家ヘロドトスが著した歴史に、「香りのよいバラ」と紹介されているのが、この“ロサ・ダマスケナ”(Rosa × damascene)だといわれています。
その後、クレオパトラ時代にはバラが栽培が始められたようで、そのバラが“ロサ・ダマスケナ」ではないかと推測されています。

「ダマスク」はシリア首都の「ダマスカス」を語源としており、かつてシリア一帯でロサ・ダマスクが広く栽培していたことがうかがわれます。

◉カザンリク OLD.   D.    系統: ダマスクローズ 1612年以前  中之島公園バラ園
ブルガリアのカザンリク近郊のバラの谷では、ロサ・ダマスケナの変種、“ロサ・ダマスケナ・トリギンテペタラ”(Rosa × damascene trigintipetala)が、現在でも香料を採るために栽培されています。このバラはブルガリアの地名を取って別名「カザンリク」とも呼ばれています。この素晴らしい香りをもつバラ、ロサ・ダマスケナを交配の親にもつバラの系統をダマスク系統と呼びます。この系統は、ロサ・ダマスケナの香りを受け継ぎ強い芳香をもちます。この香りは「ダマスク香」とよばれます。

◉ロサ・ダマスケナ 系統 :ダマスクローズ      1560年以前         長居植物園バラ園


◼️ダマスク系統には2種類がある
◉ダマスク系統は、ロサ・ガリカとロサ・モスカータ、ロサ・フォエニキアとの交雑種とされているが、春の一季咲きのダマスクローズですが、返り咲き性する品種があり、返り咲き性は「オータム・ダマスク」と区別して、一季咲き性を「サマー・ダマスク」と呼ぶ場合がある。
◉ロサ・ガリカ✖️ロサ・モスカータの交雑種の「オータム・ダマスク」
 ☞ロサ・ガリカとロサ・モスカータの交雑種とされる「ロサ・ダマスケナ・ビフェラ」(Rosa × damascena var.bifera)は、別名“オータム・ダマスク”と呼ばれ、秋に返り咲く性質がある。返り咲くといってもほんの少しですが、ヨーロッパの原種や原種の交配種のすべてが一季咲きだったので大変貴重な品種でした。オータム・ダマスクの返り咲き性は、後のポートランド系統やブルボン系統に受け継がれていきます。
※但し、サマー・ダマスクやオータム・ダマスクの交雑の起源は諸説あるとか?

◉ロサ・ダマスケナ・ビフェラ(オータム・ダマスク)系統: D.           長居植物園バラ園


■ダマスク系統は、オールド・ローズ基本4種の一つ
ヨーロッパで古くから親しまれた代表的な4つの系統を「オールド・ローズの基本4種と呼んでいます。①アルバ系統②ガリカ系統③ダマスク系統④ケンティフォリオ系統とモス系統 を基本4種と呼んでいる。

バラの香りは幾つかの種類がありますが、最も知られたバラの香りといえば、ロサ・ダマスケナを親とする一連のダマスク系統の「ダマスク香」です。古代からその香りが愛され栽培されてきたダマスク・ローズは、ブルガリアをはじめ多くの国で現在も香料を採るために栽培されています。

ダマスク系統のバラ
◉イスバハン Ispahan.    OLD.  系統: ダマスクローズ   1827年以前
鶴見緑地バラ園

◉マダム・アルディ Madame Hardy.    OLD. ダマスクローズ  1831年
中之島公園バラ園

◉ロサ・ダマスケナ・トリギンティペタラ OLD.   ダマスクローズ 1700年代
鶴見緑地バラ園にて  (カザンリク)

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