平成28年度事業報告
事業概要
シルバー人材センターは、定年退職者等、健康で働く意欲のある高年齢者の方々がその知識と経験を活かし、臨時的かつ短期的な就業又はその他の軽易な業務に係る就業機会をとおして、社会参加と生きがいの充実を図るとともに、活力ある地域社会づくりに寄与することを大きな目的としています。
近年、高齢化社会が進展する中、多様化する発注者及び会員ニーズに的確に対応すべくセンターの果たす役割は従前より増して、重要になっていると認識しています。
こうした観点から、平成28年度の事業の取り組みは、新規就業の開拓及び就業機会の創出・拡大を図るため、技能講習会、普及啓発、安全・適正就業、社会活動等の推進を図ったところであります。
特に、一般労働者派遣事業については、前年度に引き続き、沖縄県連合と緊密な連携を図り、強力に取り組んだ結果、その事業実績が伸びたところであります。
また、平成28年度は、市行政から新規の受託により、訪問家事援助事業(新総合事業)にも取り組んだところであります。
さらに、事業運営の健全化・効率化を図る見地から公益事業の趣旨を周知するとともに、当センター発展を目指し会員及び役職員が一丸となって事業推進に努めてまいりました。
平成28年度の具体的な事業実績(派遣事業除く)については、会員数が477人(男性312人・女性165人)、受注件数が1,264件、契約金額が201,796,906円、就業延人員が32,964人日、就業率77.1%、ボランティア活動延人員362人日の結果となりました。
従いまして、就業率を除いては、会員数・受注件数・契約金額、就業延人員、ボランティア活動延人員、そのすべてにおいて、対前年度比でそれぞれ実績増となっています。
また、新規会員が42人(男性24人・女性18人)に対して、退会者が30人(男性16人・女性14人)で、結果として前年度(465人)より12人の増となっています。
一般労働者派遣事業については、契約金額、就業延人員、受注件数ともに前年度実績を上回っております。
新規事業の訪問家事援助事業については、受注件数40件、契約金額754,000円となっています。
また、平成28年度は、第二次中期事業計画(3カ年)の2年目に当り、各数値目標の達成状況は、就業率(目標値88%)及び会員数(目標値488人)、については、目標値を下回ったものの、就業延人員(目標値28,536人日)派遣の就業延人員(目標値1,060人日)ボランティア活動(目標値310人日)については、それぞれ目標を達成したところであります。
なお、各事業報告については、次のとおりとなっています。
事業実績
(1)雇用によらない臨時的かつ短期的な就業又はその他の軽易な業務に係る就業機会の提供
①第二次中期事業計画の各数値目標を達成するため、企業や公共機関、一般家庭等からの受託事業により就業機会の確保・提供、拡大を図るとともに入会促進を図った。
②福祉・家事援助サービス事業の拡大を図るとともに、日常生活支援総合事業(新規事業)に取り組んだ。
③会員が自主的に「しまくとぅば研究会」を設置し、子どもたちに対し、わらべうた・遊戯・紙芝居等を活用して、しまくとぅばの普及活動を実施した。その結果、初めて就業として受注に繋がった。
④就業の提供にあたっては、均衡化・適正化を図る観点からグループ就業やローテーション就業などを推進した。
⑤独自事業は、会員が知識と経験・技能を生かし、企画・運営、創意工夫により就業機会の創出を図るための事業であるが、平成28年度は事業実績0件。
⑥事業実績(前年度比較表)
(2)雇用による臨時的かつ短期的な就業又はその他の軽易な業務に係る就業機会の提供
①有料の職業紹介事業
雇用による臨時的かつ短期的な就業又はその他の軽易な業務に係る就業を希望する高齢者のために有料の職業紹介事業を行う形態ですが、平成28年度は事業実績0件。
②一般労働者派遣事業
会員の就業機会の拡大を図るため、臨時的かつ短期的な就業又はその他の軽易な業務に係る就業の範囲で一般労働者派遣事業(市役所外24社)を行った。なお、事業実績については、③の表のとおりです。
③事業実績(前年度比較表)
(3)臨時的かつ短期的な就業又はその他の軽易な業務に係る就業に必要な知識及び技能を付与するための講習会を開催した。
① 対象:正会員・一般市民
② 講習内容
ア 刈払機・チェンソー・トリマーの技能講習会を実施した。(場所:シルバー会議室及び市テニスコート周辺 参加者35名)
イ 清掃業務の技能講習会を実施した。(場所:道の駅「豊崎」 参加者22名)
ウ クロキの剪定技能講習会を実施した。(場所:シルバー事務所前広場 参加者20名)
(4)上記(1)~(3)の事業を推進するための諸活動及びその他の社会参加活動を推進するための諸活動
①普及啓発
効果的かつ効率的な普及啓発活動を推進するため、一般市民、事業所、官公庁等への普及啓発、高齢者自身に対する意識啓発を行った。
ア 市広報誌を活用し、毎月、入会促進及び就業拡大について記事を掲載した。
イ コミュニティ放送局「FMとよみ」の媒体を活用して、就業開拓・会員拡大の普及活動を実施した。
ウ 市役所案内コーナーにチラシを常時置くとともに、各課にはチラシの配布を行った。
エ シルバーだより「とよむ」を発行(1,000部×2回)し、会員及び関係機関に配布した。
オ シルバー事業普及啓発促進月間(10月)行事の一環として、市役所ロビーにてパネル展を開催した。
カ 市生涯学習フェスティバルでボランティア活動として参加し、子ども達や来場者に豆腐づくりの体験学習の機会を提供するとともに、普及活動を行った。
キ 会員がチラシを配布し、普及啓発に努めた。
ク ホームページを活用し、センターの情報発信を行った。
②安全・適正就業の推進
会員の健康維持及び、安全・適正就業の確保を図るため、安全意識の高揚と啓発活動を行ったが、残念ながら4件(前年度4件)の事故が発生した。
ア 安全掲示板を設置して無事故日数を表示し、安全意識の高揚を図った。
イ 安全就業委員を各職群班から選出し、安全就業の意識高揚に努めた。
ウ 安全就業・健康管理の周知徹底を図るため、安全・適正就業推進大会を開催した。(場所:豊見城市社会福祉センター(2F) 参加者102名)
エ 安全就業委員会を開催(3回)した。(第1回12名出席 第2回10名出席 第3回14名出席)
オ機械・器具等の事前・事後の点検及び整備の強化を図った。
カ就業に必要な安全防具・防護ネット・各種立看板等の整備に努めた。
キ会員の健康保持・増進を図るため、特定検診の受診を促進した。
ク毎朝、就業前に事務所前広場において、全員で一斉にラジオ体操を行い、安全推進員から当日の健康管理と安全就業等に対する意識高揚を図った。
ケ安全就業推進員を配置し、発注の見積り時点で安全性の確認を行った。
コ安全就業推進員による安全パトロール(220カ所)及び県連合安全適正・就業指導員との合同巡回指導(12回)を実施した。
サ毎朝のラジオ体操時に事務局より安全就業・健康管理等の注意喚起を行った。
シ理事長・事務局長による安全パトロール(毎月12)を実施した。
ス安全就業委員による安全パトロール(6回)を実施した。
セ「安全就業基準不履行等会員に対する減点措置制度」(ペナルティ制度)を導入し、意識の高揚を図った。
③調査研究
民間企業の意向を把握するため、大型店舗等を対象として、サポート事業(派遣関係)に関するアンケート調査を実施した。
④就業分野の開拓・拡大
地域の一般家庭、事業所、官公庁等を訪問し、高齢者に適した就業を積極的に開拓するとともに、効率的な事業運営を推進するための活動を行った。
ア就業機会開拓推進員が事業所を中心に訪問し、就業機会の拡大を図った。(事業所261ヶ所)
イ会員が自主的に「しまくとぅば研究会」を設置し、子どもたちに対し、わらべうた・遊戯・紙芝居等を活用して、しまくとぅばの普及活動を実施した。その結果、初めて就業として受注に繋がった。
ウ会員がチラシ配付をして会員確保・就業機会の拡大を図った。
エ会員が就業現場周辺で、のぼり旗の設置を行って、就業開拓、入会促進を図った。
オ就業機会開拓推進員が発注者を訪問し、再受注(リピーター対策)を図った。
⑤相談・情報提供
入会を希望する高齢者を対象に入会説明会を実施するとともに、高齢者からの相談に対応した。毎月(15日)、入会説明会を実施し、センターの基本理念及び趣旨並びに事業内容を紹介し、入会の促進を図った。
また、早期会員確保に向けて入会説明会を臨機応変(15日以外)にも実施した。(入会説明会15回、66名参加・42名入会)
⑥社会参加活動の推進
ボランティア活動を希望する高齢者を対象に、一般市民と連携して社会参加活動を実施した。
ア シルバー事業普及啓発促進月間(10月)行事の一環として、県道7号線沿い、字宜保集落周辺の市道沿い、豊見城団地内市道沿い、市道32号線沿いの清掃及び福祉施設敷地内の草刈り等ボランティア活動を実施した。(103名参加)
イ交通安全街頭指導のボランティア活動を夏期・秋期・年末の年3回実施した。(延べ189名参加)
ウ市生涯学習フェスティバルでボランティア活動として参加し、子ども達や来場者に豆腐づくりの体験学習の機会を提供した。(24名参加)
エ老人福祉施設で慰問活動を行った。(11名参加)
オ海軍慰霊の塔・その他の清掃活動等を実施した。(35名参加)
(4) 組織・事務局体制の整備強化
①理事会の活性化を図るため理事会(11回)を開催した。
②健全かつ効率的な事業運営を図るため、事務事業の改善を行った。
③県連合が実施する各種研修会等に参加し、職員の資質の向上を図った。
④九シ協が実施する研修会に参加し、職員の資質の向上を図った。
⑤全シ協が実施する派遣元責任者講習を受講し、派遣事業の資格を取得した。