グリムノーツ

「ヨハネス出てこないかな〜」

「なんの話ですか？」

「グリムの話」

「今、うち（Fate/GO）も忙しいので、こっちも集中して下さい」

「ちゃんとやってるじゃないか。継戦能力のあるランサーがいないんで困ってるけど」

「で、ヨハネスさんって？」

「僕の大好きなグリム童話の話。類似がいっぱいあるんで、正伝がどれかが知らないけど『忠臣ヨハネス』というお話。これがキリスト教伝ーー」

「あ、止まらないな〜これは」

「彼の話の原典は

	昔話の深層 ユング心理学とグリム童話 (講談社+α文庫)
	河合 隼雄
	講談社

これをベースにしてるんだけど、実はキリスト教は出てこない。ケルト寓話とごっちゃになってるところが多いのかな。まあ、グリム童話に神様の力がほとんど出てない話と出てくる話があるんで、錯覚してるんじゃないかな〜」

「ああ、先輩が心の師と呼んでらっしゃって、亡くなった時に愕然とされていた方ですね。確か、物語と心理学をテーマで何作も書いてらっしゃいましたね」

「そうだね、物書きとしての心得として、読むのも良い本だよ」