道東を発見する旅 第3の人生

200回、現実離れ、世界一統、試飲会

今日は最近、身の回りに起こった出来事を紹介します。共通したテーマは「現実離れ」で、話題のO氏がらみのエピソードもあります。

200回

話題のO氏が記者会見で実験に200回成功していると豪語した。

自分が考えるに200回は現実離れしている数字であり、その数字は彼女の話が作り話であることを示唆しているように思う。

生物系の実験は普通の人が考えているよりもはるかに手間暇がかかり金もかかる。もし、誰かが自分の仮説を証明するために実験を行い成功したとしたとしよう。再現性を確認するために実験を何回くらい繰り返すだろうか。

自分だったら、数回から10回程度しかしない。再現性を確認することが目的であれば、200回繰り返す必要はない。

それよりも論文の完成度をあげる事が次の目標であるから、細かい画像とか数値データを揃えていくことだけを考えるだろう。その訳は、実証した理論をさらに展開して未だ不明の真理に近づくためである。

さらに、成功率の問題がある。そんなに再現が難しいなら、成功率は100%よりもはるかに低いので、200回成功するためには、500回あるいは1000回しないといけない。

200回という数字を聞いて普通の人はやっぱり正しいと思うのかもしれない。だが多くの研究者は強い違和感を感じているはずだ。

花見

先週の火曜、病院の近くで職場の人と花見をした。

桜の木の下にブルーシートを敷いて、10数人が車座に座り楽しく飲み食いをした。

自分は、夕暮れ時から日没後のたそがれ時に野外で過ごす時間が一番好きな時間だ。

会場は浄水場の敷地内の桜並木で、薄暗闇にボンボリが灯ると隣に座っている人の顔がぼんやりと浮かび上がる。黄昏時の、あの雰囲気は、この世は思われない不思議な空間だ。

酒に、そして雰囲気に酔って気分良くなってると、同じく酔いがまわった課長が「部長はフランスに住んでおられて・・」と皆の前で自分に話をふってきた。そこで、思いっきり現実離れした事を言ってやろうと思った。

「フランスでは家内と2人で働き、結構いい給料をもらっていました。休みもたっぷりとれたしお金にも余裕があったので、シャモニーのバカンス村で、夏と冬、それぞれ2週間過ごしたこともあります」と言ったところ、まわりの人は、明らかにひいてしまっていた。

また体力自慢になり「部長は腕が太いんですよ。身体を鍛えておられるから・・」と課長が言ってくれるので、また「懸垂を20回できます。世の中に懸垂20回こなせる人はそんなにいないでしょう」と発言したところ、これでも皆にひかれてしまった。

自分は、他人から見ると現実離れした世界に生きているのかもしれない。これからはもっと抑えて話すようにしよう。

青学

それで思い出したのだが、東大医学部を卒業した兄は、医学生の時、初対面の人には「青山学院に行ってる」と言うようにしていると話していた。絶対東大医学部とは言わなかったそうだ。確かに誰でも初対面の相手が、東大医学部と聞いたらびっくりするだろう。

兄は、今、僻地の診療所長をしているが、65を過ぎて高齢者となっても東大医学部の偉い先生というレッテルで見られているようである。結局、死ぬまで東大を卒業できないのだ。

前の勤務先である大学の女学生でも、合コンに行くと医学部というだけで回りがひいてしまうと言っていた。

価値観

結局、まわりからひかれてしまうのは、皆の価値観から遠く離れてしまっているからだろう。

医学部に入るのは難しいし懸垂が20回も難しい。皆から遠く離れた世界を体感させてもらっていることに感謝しよう。

嫁さんと結婚してよかったのは、価値観を共有していることだ。今は、かみさんの健康問題があるので将来がどうなるか分からないけど、今、この時を大事にしよう。

早朝からゴソゴソしてます

前回、黒柳徹子さんの事を書いた。その続きで、90歳まで元気であるために黒柳さんが考えたことの具体的内容である。

いつまでも若々しく生きているためには、十分に成長ホルモンが出なければならない。そして成長ホルモンが分泌されるのは、時間帯が決まっていて夜の10時から午前2時ごろまでだそうで、その時間帯は寝ていないといけないそうだ。

それまで長い間、午後11時ごろ家に戻って、あれこれ用事をして夜遅くなる夜型の生活パターンだったそうだが、1年前に夜型生活をすっぱりやめて、10時から2時までは寝る事を最優先にしたそうだ。

今は帰宅後すぐに顔を洗い風呂に入り30分後には布団の中に入っているという。そして午前3時に起きて、原稿を書いたり仕事の準備をして、再び寝るらしい。

自分も、同じような生活パターンである。4時から4時半に起きて、片付けや掃除をして5時ごろ朝食を食べる。その後、10分から30分くらい朝寝した後、仕事に行く。

大きな声で人に言えない(と言いながら、書いているけど)ような浮世離れした生活をしております。

ここで、話題が変わります。正月くらいだったか、日本酒が怖いというエピソードを書いたと思うのだけど、呼吸法をやり始めてすごく元気になり、たまに日本酒を飲んでいる。日本酒の微妙な味わいが好きだ。最近の日本酒に燗する自分のマイブームについて紹介します。

先日、近所のディスカウントのリカーショップで、グラスワインで飲める日本酒コンテストの第一位のお酒を見つけた。南方というお酒だ。

南方(みなみかた)

以前、阪急電車の十三(じゅうそう)駅の改札口で駅員に「なんぽう、はどうやって行けばいいのですか?」と聞いていた人がいるという話を紹介したが、この「みなみかた」は駅名ではなくて、人名であり、清酒の名前だ。そして清酒「みなみかた」の酒造会社名が「世界一統」という名前だ。

「世界一統」って、時代錯誤的な名前である。最初、どこかの宗教団体が作っているお酒なのかな、と思ったほどで、蔵元の名前として現実離れしている。

だが、「世界一統」の社名は、かの有名な早稲田大学の創設者、大熊重信が命名したそうだ。

世界一統社ホームページより引用しておく

2代目南方常楠の時代(明治40年)に名づけられました。早稲田大学の創立者であり、第8・17代内閣総理大臣をつとめ、歴史に名を残した大隈重信侯に常楠が師事したことより、侯が紀州高野山に参詣の折、酒名の選定をお願いしたものです。

気宇壮大な侯は「世界を統一」する「酒界の一統」たれといった意味より、ここに「世界一統」と命名されました。紀州高野山に参詣の折、酒名の選定をお願いしたものです。

引用終わり

清酒「南方」は、会社の創設者の名前であり、創設者の実子が、博覧強記で有名な南方熊楠である。熊楠は日本人でロンドンで研究生活をおくり日本人で初めて科学雑誌ネーチャーに論文を掲載した人だ。和歌山県の白浜に南方熊楠の記念館があり、自分も行ったことがあるのだ。びっしりと記載されたノートなどが展示してあった。ちなみにネーチャーは話題のO氏が投稿した科学雑誌である。

現在の社長は6代目の南方氏だ。

清酒南方は実に味わい深く美味しい酒だった。またそのうち買う予定である。最後に別の日本酒のうんちく話で締めくくります。知れば知るほど、奥の深い日本酒の世界に、自分は興味津々です。

女性の杜氏(とうじ)

前回、参考にした小雑誌(PHP)には、女性の杜氏の話が出ていた。その女性は京大農学部で修士課程を終わった後、日本酒が好きで日本酒ににかかわる仕事がしたいと思い、京都の酒造会社に就職し、選ばれて杜氏になったという人だ。全国的に女性の杜氏というのはほとんどいないらしい。

その人は酒造元に残っていた古い資料を元に、昔の麹を再生したという。昔の資料が、まるで実験ノートのようで詳細に手順が記載されていたという。それを現代の知識で再現したそうだ。この人こそ、Oさんと違って本物のリケジョなんだろう。昔の人も誰に教わることもなく、科学的な方法論を体得していたようだ。

だから、実験ノートの重要性に対する認識もOさんは見習ってほしいですね!

早速、その麹で出来たお酒を飲んでみたいと思い、ネットで調べてみた。すると、順繰りに関西のあちこちの百貨店で試飲会をやっている。何と、自分の地元、千里阪急の地下食品売場にも来るのを知った。それが1週間くらい前だった。シンクロニティを感じてしまった!

試飲会

昨日の夕方、待ちかねていた試飲会に、ワクワク気分で行ってきた。

営業の人が蔵元の法被を着て売り場に立ってたので色々質問責めにしてきた。そして、ディスポのおちょこ(こんなのもあるんですね)に3分の1くらいずつ、計4本試飲させてもらった。

そのお酒の大吟醸(花洛という名前の清酒です)、それと香りとコクを楽しめる市場に出回らない限定品の原酒(未濾過、冷蔵貯蔵)を買った。昨日は帰ってすぐ、息子2人とお猪口で原酒を楽しんだ。

その時、聞いた話を紹介します。

世界中にいろんな酒があるけど、発酵だけで10数度までアルコール度数があがる酒は日本酒以外には無い。


日本酒には、長い歴史があるけど、今、現在が過去の歴史の中で一番美味しいという。

ちょっと前の日本酒はひどかったそうだ。三増酒と言って醸造アルコールを3倍量加えていたとかいう話をしたり、現在でも大手メーカーでは糖分を添加しているんですよ、と批判しておられた。ちなみに、その名前はだそうです。

そして日本酒の味を決めるのは、水、麹、そして杜氏の考え方なのだそうである。杜氏の腕次第でいくらでも味わいが変わるそうだ。

だから、小さな蔵元の名もないお酒は、まさに宝の山で、微妙に味わいが異なり、自分好みの清酒にいつ出会うか分からない楽しみがある。求めればどんどん奥に分け入る事が出来る深い世界のようです。

今日もお猪口で2、3杯、日本酒を味わって早寝します。そして明日も朝3時半に起きる予定です。

追加

検索してみると、必ずしも三増酒が悪いわけではないようで、杜氏の考え一つでお酒の仕上がりは大きく変わるというのが結論のようです。ネットで検索した結果を引用しておきます。

引用元
http://www.excite.co.jp/News/reviewgadget/20111007/E1317921966396.html?_p=3

戦後間もない頃のお米が不足していた時代には、醸造アルコールを使ってお酒を3倍に薄める「三増酒(三倍増醸清酒)」というお酒がありました。これはお酒を薄めて多くの人に飲んでもらうためのお酒だったので、そう言われても無理はありません。

本醸造酒や吟醸酒では、三増酒の時代と違って、入れていい醸造アルコールの量が決められています。なので、そう無節操に醸造アルコールが入れられているわけではありません。

醸造アルコールを入れると、お酒の味は淡麗ですっきりとしたものになります。

実は江戸時代から、日本酒に他のお酒(当時は柱焼酎という焼酎を使うのが主流でした)を入れるということは行われていました。これは貯蔵時や輸送時の変質を防止したり、くどいお酒をマイルドにする目的で入れられていたようです。そう、味わいをすっきりとしたものにするために入れていたのですね。

さらに醸造アルコールを入れると、香りを引き出すことができます。これはとくに吟醸酒で、もろみというお酒のもとになっているものを搾る(搾ったものがお酒に、残った物が酒粕になります)前に醸造アルコールを添加すると、本来は酒粕に行ってしまう芳香をアルコールによって抽出することができ、お酒にその成分を残すことができるからです。

この辺が、お酒を造る職人さん(杜氏さん)の腕の見せ所なわけです。杜氏さんによっては、この醸造アルコールで香りだけではなく、お酒の甘みや旨味を引き出したりするのですね。

引用終わり

テレビで見た料理番組で、和食の先生が、味付けに砂糖をちょっと加えて、砂糖は甘味ではなく醤油の角をとるために入れるんです、と言っていました。アルコールですっきり感が出てくるのと同じような感覚なのかもしれないですね。ちなみにフランス料理では砂糖は使いません。

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