慢性便秘症
5年前に死んだ嫁さんは若いころから便秘で苦しんでいた。20代前半から60代後半に亡くなるまで、毎日コーラックを飲んでいた。
あの人は下痢をしたことがないので、一度「下痢をしてみたい、一気に便が出てしまうんでしょ?」聞かれたことがある。
転移性の癌で闘病中に時々CTを撮ることがあった。自分が勤務していた病院で治療していたので読影結果報告を見るといつも「便塊あり」と書かれていた。
グーフィス
2018年に保険収載された「グーフィス」は新しい作用機序の抗便秘薬だ。これまでの下剤と全く異なり、処方すると「よく出るようになりました。毎日は出ないけど、週に2,3回ドサッと出るのでいつ排便したか覚えていない」という感想が多い。
この薬は便のかさを増して排便しやすくする薬なので、下剤と違うのだ。時々、今までの下剤だと勘違いして使い始めの時に「あまり効かないです」と言う人がいるが、そこでじっくりと効果のほどを説明すると納得される人がいるのだ。処方して感謝されることが多い。
さて効果が表れるとどうなるか・・である。ねっとりとしたバナナ状の便がスルッと出るようになるのです。
図のように「ブリストルスケール」という形態の分類があって、理想の排便は普通便がバナナ一本以上出る事なのです。
これがグーフィスにより実現できるのです。
いかがでしょうか。
死んだ嫁さんが生きているうちに飲ませてやりたかったと思う。さて、話は自分の場合に落ちていく。
自己暗示?
患者さんに理想の便(週に2,3回、ねっとりとしたバナナ状)について説明しているうちに、自己暗示にかかったのだろうか、いつの間にか自分の排便が理想的なスタイルになってきたのだ。何でそうなったのか自分でも分からないが、はっきりしているのはグーフィスを知る前には、理想の排便イメージを自分は知らなかったのだ。
それが、患者さんに説明し、患者さんの反応を聴いているうちにねっとりとしたバナナが出るようになったのだ。頭では理解できるが、それを自分の体で感得できるなんて自分でも驚いている。
呼吸法と体調の変化
ここに来てから、仕事以外の時間はずっと一人だけの時間を過ごしており、時間がたっぷりあるので、よく呼吸法をやるようになった。そのおかげだろうか、閃輝暗点は出なくなったし、イライラすることもほとんどない。
酒を飲むと体調が悪くなる感じがするのでほとんど飲まない。
さらに最近は、一日5,6杯は飲んでいたコーヒーも急に飲みたいとは思わなくなったので、一日一杯だけで十分でそれ以上のまない。
以前の職場で、部下から「パンはグルテンが入っているから食べない方がいいですよ」と言われていたが、なぜかパンも欲しくなくなったので今はお米を一日茶碗一杯だけ食べている。
いったいどうなったのか分からないけど、お坊さんみたいになっている。て体感が鋭くなっている。あんなに老眼であることを恨んでいたのだが、すんなりと受け入れるようになってから15分くらいは裸眼で新聞を読めるようになってきた。
年をとって老化し体力が落ちているのは事実だ。だけど、そのせいで、「どうでもいい」と気楽に考えるケースが増えてストレスが無くなってきた。たぶん、それが排便に反映されているのかもしれない
なお、グーフィスに興味のある方は慢性便秘症の病名がつけば医師は処方してくれるはずです。
ただ、グーフィスを知らない医者もいるかもしれないので「下剤ではなく、こんな便秘の薬もあるのですよ」と説明してあげてください。