電波が回り込んで故障したようです
この機種の修理は何台めでしょうか?
ICOM IC-PW1 スルー回路追加改造
ICOM IC-PW1 修理
ICOM IC-PW1 落雷修理
今回はコレ
症状:電源は入るがプロテクトが動作し送信できない

電源を入れて確認すると
電源は入ってVdもかかっており一見正常
送信すると赤ランプが点灯し送信はできません

よく観察すると バンドスイッチを切り替えても
BPFを切り替えるリレーの音がしません
これはバンド切り替えICの故障です
と言うことで分解します
これが MAIN UNIT

そしてバンド切り替え用の IC-19 TD62783AF

入力側にはCPUからバンドごとに5Vが来ていますが
このICの出力にはリレードライブ用の13Vが出ていません
さっそく取り外し

いつものように
外れました

基板をきれいにして

新しいICを・・・

これで完了
・・・と 思いきや
光とともに この有様!!

焦げてます(泣)
と言うことは リレーの逆起電力吸収用のダイオードがショートしてますね
確認してから電源を入れるべきでした・・・
それでは仕切直して BPF UNITを外します

この 18MHz用のD4です

取り換えました

本当はハイパワーでは
このダイオードは入れるべきではありません
IC保護のためにはいいのでしょうが
ダイオードとセラミックコンデンサーで電力を整流してしまい
ダイオードが良く飛びます
と・いうことで IC-19も再度交換して

さあ出来上がりました
・・・ドライブを少し入れると再び プロテクト
100Wくらいは出るのですがそれ以上ドライブできません
このプロテクトは ファイナルFETが壊れているサインです
そこで ドライブをずっと絞って
コンバイナーのRCAプラグを1つずつ抜いてみました
すると1ユニットだけ
外してもパワーの減らないユニットがありました
これです

Idも流れていません

ここでアイドリング電流を測定
PA1 UNIT 0.57A
PA2 UNIT 0A(壊れているから)
PA3 UNIT 1.2A(流しすぎ)
PA4 UNIT 0.47A
で 結構分解して

PA UNITの電解コンデンサーも膨らんでいるものがあり
予防修理として交換

少し膨張して 基板から浮き上がってますね
外してみると電解液の匂いがします
FET MRF150を交換しました

最後にアイドリング電流をいくら流すか迷いました
IC-PW1 サービスマニュアルによるとFET1個当たり 0.1A
PA UNIT当たり0.2A(FET2個分)になっていますが
少ないような・・・
デバイスデーターによるとSSBではFET1個当たり0.25Aになっています
IC-7800では1本当たり1Aです
取り換え前のユニット当たりのアイドリングを参考に
FET1個当たり0.25Aに決め
すべてのユニットのアイドリングを0.5A(FET2個分)に設定しました
そして 今度こそ組上げて

修理完了です
これが交換した部品です

次回は どんなものを修理しましょうか