4月12日 水曜日
のち


最初の就職先は個人経営の学習塾だった。…教員採用試験勉強の傍らだったのでどちらかといえばアルバイト先というべきだろうか。
塾長は大手から独立した人で、僕の他にも学生バイトが何人かいた。
そこで僕は人を見る目を学んだ。
あるとき塾長に言われたのだ。
「生徒を平等に扱うのは結構だが、本質(本性)を見極めろ」と。
子供であってもズル賢い子はいる…いないと思うほうがどうかしている。頭に花が咲いていると思われても仕方がない。
ずいぶん前に「初対面の人でもひと目でだいたいその人の本質が見抜ける」なんて大言壮語したが、このときの経験が根っこにあるのだ。
慣れてくると子供、大人の関係なく初対面でひと言ふた言ことばを交わしただけでその人の人となりが手に取るように分かるようになった。
僕はそうだとは思っていないが、プロの面接官は求職者をひと目みただけで判別できると聞く。
履歴書を片手にあれこれ訊くのは二流、三流の面接官。
職場で採用面接をする事務長がこのタイプだ…。