毎月、『ふるかわ会議所ニュース』 という商工会議所の機関紙に、
『税のワンポイント講座』 というタイトルで、
小さなコラムを書かせて頂いています。
800文字程度の簡単なものですが、
『税のワンポイント講座』 というタイトルで、
小さなコラムを書かせて頂いています。
800文字程度の簡単なものですが、
もう、10年以上続いています。
会員以外の方のために10月号の内容をご紹介させて頂きます。
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みなさんこんにちは。税理士の筒井です。
いよいよインボイス制度が始まりました。今月は下記の事例を基に免税事業者が登録をすべきかどうかを改めて考えてみましょう。
あるコインパーキングを経営する免税の個人事業者の方から登録するべきかどうかの相談を受けました。
コインパーキングは『自動販売機特例』の対象外なので、精算機を改修して簡易インボイスを発行する必要があります。
【1】登録をした場合のデメリットを考えてみましょう。
(1)消費税の納税義務が発生します。
年間駐車場収入が110万円と仮定すると、毎年10万円×60%(簡易課税制度選択)=6万円の納税が発生します。
ただし、2割特例により当初の約3年間は、2万円の納税になります。
(2)精算機の改修に約35,000円かかります。(精算機によって金額は異なるでしょう)
(3)消費税申告書作成のために税理士報酬が毎年かかります。
【2】次に登録をしない場合に予想されるデメリットを考えてみましょう。
(1)『インボイスが発行されないなら他の駐車場を使おう』という利用者離れが起きる可能性があります。
ただし、次の理由により年間での影響額は僅かだと推測されます。
①一般消費者及び免税事業者は、インボイスは不要なので利用者離れは無いと思われます。
②課税事業者であっても簡易課税を選択している場合は、インボイスは不要なので利用者離れは無いと思われます。
③課税事業者で原則課税を選択している場合のみ、その事業者の消費税の納税額が下記の通りアップします。
(a)駐車料金1,100円を支払った場合、インボイスがないと納税額が100円アップします。
(b)ただし、その事業者が売上高1億円以下等の中小事業者である場合は、当初6年間は(a)の納税額のアップはありません。
(c)また、(b)以外の規模の大きい事業者であっても当初3年間の納税額のアップは20円にとどまります。その後の3年間は50円のアップとなります。
私は、しばらく登録をしないようにアドバイスしました。