事務所通信

税制改正大綱

相変わらず理念なき改正です。

A4で100ページ余りありますが、

全体的に、『企業・団体献金』の影響が反映された改正点ばかりのように感じます。

ちょうど、古川商工会議所機関誌の私のコラムの締め切りが近かったので、原稿から抜粋してご紹介いたします。


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みなさんこんにちは。税理士の筒井です。

ようやく税制改正大綱が発表になりました。

『103万円の壁』問題ばかりが事前に話題になりましたが、全体としては相変わらず大きな改正はありません。
以下、話題が多かった論点に限った速報です。私の解釈に間違いがある場合は次月以降で訂正します。

103万円の壁については、123万円への引き上げで大綱に盛り込まれました。
給与所得控除額(サラリーマンの経費に該当するもの)を10万円アップして65万円に。基礎控除も10万円アップして58万円とします。
これにより給与年収が123万円の場合、123万円-65万円-58万円=ゼロとなり、所得税がかかりません。
年収が190万円を超えてからの給与所得控除額は従来と変わりません。
令和7年分については毎月の源泉徴収税額の変更が間に合わないので年末調整で対応します。これでは国民民主党の言う『手取り額の増加』を実感できるのは1年後ですね。

特定扶養親族(19歳以上23歳未満)に該当するかどうかの要件として、現在の103万円の壁を150万円に引き上げます。
これによって学生の子供が年間アルバイトで150万円まで収入があっても親は従来通り扶養控除を受けることができます。また188万円までは段階的に控除額を引き下げるので急な打ち切りにはなりません。
控除の金額自体は引き下げも検討されていましたが見送られました。

住宅ローン減税については、令和6年から子育て世帯などに対する優遇措置が設けられていましたが、これを令和7年末まで延長します。

結婚や出産などにかかる費用を祖父母や親から贈与された場合の1,000万円の贈与税の非課税制度を2年間延長します。ただしこの制度は、昨年度の利用件数がたった196件というのですから驚きです。

大企業の法人税の税率23.2%に対して、中小企業には所得のうち800万円までの分を15%に低く抑えている優遇措置が設けられていますが、これを2年間延長します。

訪日外国人が国内の免税店で消費税分を除いた金額で購入できる免税制度は、抜本的に見直します。
大量に購入した免税品を転売して不正に利益を得るケースが相次いでいると指摘されていることから、見直しでは、購入時にいったん消費税分を支払い、出国手続きの際に払い戻す方式に移行します。
諸外国ではこの方式の方が一般的です。



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