日に日に高まる中印両国の緊張状態。 インドはすでに、共産党独裁の中国を民主主義で牽制(けんせい)し、圧力をかける方向に舵を切った。中国からの投資は、政府の承認を受けなければならないという法案が4月に可決された。中国製品に対する関税を引き上げる計画があるという。 ナレンドラ・モディ首相は「インドは、地域と世界全体において、より大きな役割を果たすことを期待している」と語った。 実は、米下院は今年1月、チベット自治区での人権弾圧を批判し、人権や宗教の自由を擁護する「チベット人権法案」を可決している。さらに、共和党のスコット・ペリー下院議員は5月、チベット自治区を独立国として認める法案を議会に提出した。 中国発の新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)を受け、米中対立が激化するなか、米国はインドと歩調を合わせるように「対中包囲網」を構築しつつあるのか。 今後、起こり得るシナリオは何か? チベット出身で、拓殖大学国際日本文化研究所のペマ・ギャルポ教授は「中国がチベットに軍事侵攻するまで、『中国とインドの国境』は存在せず、『チベット・インド国境』しかなかった。チベットが独立していた時代、インドは防衛予算に600億ドル(約6兆4320億円)も費やす必要はなかった。チベットが(独立国となり)平和な地域になれば、国境地帯は恒久的な平和が得られる」と語った。 中印紛争の先に「チベット独立」が見えてきた。
河添恵子
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