急変対応のいろは

医療において突発的なトラブルは付きもの

患者の急変対応時に求められる姿勢

2024-10-18 10:28:18 | 対応

医療現場で働く看護師は、毎日同じ業務のルーティーンではありません。
特に急性期の現場であれば、患者の容態変化に立ち会うことは日常茶飯事でしょう。
急変対応に追われるというのは、医療従事者にとって非常に緊張感の高い状況であり、気持ちのメリハリが求められる職場といえます。
もし、患者の容態が急変した場合には、迅速かつ適切な対応が求められます。
ここでは、患者の急変時の看護師に必要な姿勢を、具体的な事例を挙げながら解説していきたいと思います。

当然ながら、患者の急変はいつ起こるか分からないものです。
看護師は常に患者の状態を観察し、急変の兆候を見逃さないように注意を払う必要があります。
急変の兆候としては、意識レベルの低下、呼吸状態の変化、血圧の変動、顔色の変化などが挙げられます。
バイタルチェックを通して少しでも異変に気付いたら、すぐに医師に報告して指示を仰ぎましょう。

急変対応時には、何よりも冷静さを保つことが大切です。
慌ててしまえば、視点が狭くなって判断力も鈍り、適切な対応ができなくなってしまいます。
どうしても焦りが出てくる場合は、一旦深呼吸をして気持ちを落ち着かせて行動しましょう。
気持ちを落ち着かせることができたら、まずは自分の中で優先順位を明確にし、無駄のない動きを体現することが大事です。
そのうえで、医師の指示をもとに必要な医療機器や薬剤を準備し、的確な処置を迅速に行わなければなりません。


患者の急変には日頃から備えることが大切

2023-03-16 01:53:03 | 急変

患者の急変は、いつどこでどんなときに起こるかわかりません。
ルーティンの健康観察時に予兆が確認されれば、看護師の間で情報を共有し注意深く確認できます。
しかし、多くの患者は予兆なく体調の変化を引き起こします。
それゆえに、「急変」という言葉が用いられているのだと把握しておきましょう。

急性期の患者を中心に受け入れる高次医療機関で働く看護師の場合、急変は常に隣り合わせだと気持ちを引き締めることが可能です。
一方、外来を中心とした地域のかかりつけ病院で働く看護師は、急変への対応意識が薄れている可能性もあるでしょう。
そのうえ、皮膚科や整形外科といった診療科では、さらに急変患者を目の当たりにする可能性が低くなります。
病院で治療を受けている疾患以外が原因で容態が急変することもあるので、常に急変時はどうすべきかを意識して業務にあたりましょう。

患者の急変に対する迅速な行動が患者の命を守り、後遺症のリスクを減らします。
このように記すと、看護師にとって大きなプレッシャーにつながってしまうかもしれません。
しかし、急変の初動対応は看護師にとって基本項目の一つとも言われます。
基本を忘れてしまえば、すべての看護にも関わってくるでしょう。
そのため、急変時のフローを定期的に思い出し、常に迅速な行動をとれるよう対応力を高めていくことが大切です。

急変に対する初期対応のフローは、ガイドブックや看護師の教科書など数多くの媒体で取り上げられています。
常時携行用の印刷用ファイルもあるので、ナースグッズの一つとして準備しておくと良いでしょう。


急変対応の基本の「ABC」

2023-02-20 01:53:03 | ABC

「新人看護師は急変に対応できない」と言われ、悔しい思いをする看護師もいることでしょう。
実際、手も足も出ずただただ先輩看護師の挙動を見守るしかできないケースも少なくありません。
「次こそは初動対応ができるようになりたい」と思っているなら、まずは急変時のABCを完璧に覚えましょう。

中でも、急変時の迅速評価はよく言われます。
ポイントは、「Airway(気道確保)」「Breathing(呼吸の評価)」「Circulation(循環器系の機能評価)」の3つです。
一般的に舌根が気道を塞いでいないか、努力呼吸に変わっていないか、徐脈や頻脈に変化はないかなどを確認して一次評価へつなげましょう。
先輩看護師は両手や聴覚、視覚などあらゆる部位を使って時間をかけず迅速評価を行います。
意識がない場合や心肺機能が不全状態な場合は、その状態にも注意して観察しなければなりません。
迅速評価のABCは、教科書などにも掲載されている基本中の基本です。

このほか、勤務先で統一している評価方法があるケースや、診療科によっても確認すべき観察項目がある場合が珍しくありません。
脳障害などが懸念される場合は、対光反射や痛み刺激に対する反応、意識レベルの確認が必須です。
また、心拍や呼吸、胸郭状態が悪ければチアノーゼが起こっていないか注意深く確認しましょう。
唇の色だけではなく、全身の皮膚の色や体表温なども確認すると、先輩看護師や医師へ引き継げます。

経験が浅い新人看護師は、咄嗟にできない場合が大半です。
フローを頭に叩き込むほか、先輩に教えを請いながら観察ポイントを覚えましょう。
また、このサイト(https://看護師緊急対応マニュアル.com/)にも良さそうな情報が載っていたので、参考にしてみるのもアリです。