身体介護とは、外出時のサポートや生活の中での介助などを行う支援サービスです。訪問介護の現場で多く用いられる介護手段で、利用者(要介護者)が前向きに生活するために寄り添う立場ともいえます。
もちろん、訪問介護の現場だけではなく、介護施設やデイサービスセンターなどでも身体介護は行われています。そのため、介護の業界ではこのスキルを持つ人材が多く求められています。
介護職を目指す人に指摘されることが多い事柄があります。それは「身体介護」と「生活援助」は同じではないか?といった疑問。介護される側はもちろん、介護を行う側においても混同しやすく、仕事の線引きをしたいという声もあるのです。
身体介護は、利用者の体に触れて支援しますが、生活援助は、利用者の代わりに家事の一部を代行し支援を行うもの。この二つの大きな違いは、利用者の体に触れて介助するか否かという点です。
同じ訪問介護の分野でも身体介護は「トイレでの排泄を手伝う、着替えを手伝う」といった内容になりますが、生活援助は「頼まれたものを買い物する、料理の作り置きや掃除をする」といった家の中での簡単な手伝いしかできません。
利用者は、訪問介護サービスを受ける場合に生活援助、身体介護それぞれのカテゴリで支援を依頼することになります。身体介護を行うスタッフに生活援助を依頼することはもちろん、その反対のこともできません。これらの支援の違いについて、利用者に対して理解を求めることも必要です。利用者側に理解をしてもらえなければ正しいサービスが提供できないこともあるでしょう。