「ハリ・プッター」とはいかにも「ハリー・ポッター」をもじったような名前だが、まさにその通りである。インド映画だ。
≪インドの映画会社Mirchi Moviesが製作した『ハリ・プッター』は、世界を救うためにイギリスに移住する10歳の少年の物語で、タイトルはヒンディ語ならびにパンジャブ語で「神の子ども」を意味する。≫
一応もっともらしい理由をつけて「コピーではない」と主張はしているが、インドで活躍するならまだしもイギリスに行ったらまずいだろう。
頭にきたワーナー・ブラザーズが訴訟を起こしたのだが、インドの裁判所は冷たかった。
≪視聴者にとって混乱を招かないとしてこの訴えを退けた。
判事は「ヒンディー語を話す田舎の子どもはハリー・ポッターについて聞いたこともないであろう一方、英語を話す都市部の視聴者は、ハリー・ポッターを良く知っているため混同する理由は全くない」と語った。≫
むちゃくちゃな理由のようだが判決は下りた。
それに対しワーナー側は納得せず上告する構えだ。
≪ワーナーのスコット・ロウ広報担当は語った。「法的措置を取ったのは、この映画のタイトルとマーケティング方法が、われわれの知的所有権を侵害し、観客を故意に混乱させ、 世界的に有名で愛されている『ハリー・ポッター』ブランドから不当に利益を得ようとしているからです。コンテンツ会社として、『ハリー・ポッター』に関する貴重な知的所有権を守るための措置を講じるのは当然です。現在は判決を精査し、今後の対応を練っています」≫
世界に愛されているハリー・ポッターのブランドイメージを守るためといえば聞こえはいいが、実は違うところに目的があったようだ。
判決はこうも言っている。
≪ワーナーは2005年からインド映画『ハリ・プッター』について認知していたにもかかわらず、公開直前まで提訴しなかった点が主な棄却理由だという。≫
要するに最初から賠償金目当ての訴訟だったのである。黙認するふりをして映画会社にコピー映画を上映させておいて、事実関係を成立させてから賠償金を請求する手口である。魔法の国の住人ハリー・ポッターも現実世界では「金」だけの存在のようだ。
インド映画「ハリ・プッター」の訴訟問題、ワーナーが敗訴
【映画】『ハリ・プッター』裁判でワーナーの訴え棄却
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