米NBCテレビは18日、バージニア工科大学乱射事件のチョ・スンヒが同テレビにビデオや写真、手紙の入った小包を送付してきたことを明らかにした。写真には黒い鉢巻きをした容疑者が、広げた両手に拳銃を持っている姿が正面から写っている。同容疑者は、16日朝に同大寄宿舎で2人を射殺した後、講義棟で30人を殺害する2回目の乱射事件を引き起こしたが、その2時間半余りの間に郵送したとみられている。
NBCテレビはこれら資料を直ちに連邦捜査局(FBI)に提出した。
チョ・スンヒが犯行に使用した拳銃について、製造番号が消されていたことが明らかになった。周到に用意した犯行の可能性が高まってきた。
警察当局は、拳銃の製造番号を消したことについて、入手経路や身元がすぐに割り出されないことを狙ったとみて捜査している。
動機は引き続き捜査中だが、米メディアによると、凶暴な内容の脚本を英語の授業で書き、寮のノートに敵対的な言葉がつづられていた。
犠牲となった学生らの遺体の多くに複数の弾痕があったことも判明している。米国のメディアは「おまえたちがおれをこうさせたんだ」と書かれた、裕福な大学生に対するののしりや怒りに満ちた内容のメモが同大学内の寮の容疑者の自室に残されていたと報道している。
こうした報道から、事件は怒りを晴らすため周到に計画された無差別大量殺人だった可能性が出てきている。警察当局は「遺書が残された証拠はない」としながら、チョ容疑者が残したノートやメモについても、犯行に至る動機の解明を急いでいる。
(事件のあらまし)
16日月曜日の朝、乾いた銃撃音が、広大なキャンパスに何十発も鳴り響いた。バージニア工科大キャンパスで午前7時過ぎに男女2人が学生寮で射殺された。
2時間半後、大勢の警察官がキャンパスを捜索するさなか、2度目の惨劇が教室内で起きた。その間、学校は何をしていたのか。
大学では先週も爆破脅迫騒ぎがあった。9時26分に事件を知らせる学校のメールがある学生に届いた。
しかし学校の指示は行き渡らなかった。事件の最中にも、登校しようとした学生たちがいた。
チョ・スンヒは2丁の拳銃を持って、午前10時前、ドイツ語の授業をしていたノリス・ホールにある教室に押し入り、教授の頭を撃ったあと、1分半ほどの間に30発ほどを撃った。
チョ・スンヒは友人の女性を探しているようだった。女子学生を1列に並ばせ、友人女性の所在を聞き出そうとしたという。その後、無差別の発砲を始めた。窓から飛び降りた学生もいた。
チョ・スンヒは半袖シャツに黒いベストを着ており、まるでボーイスカウトのように見えたという。
容疑者はいったん去った後、話し声がするのを聞きつけたのか、すぐに戻ってきて教室に押し入ろうとした。その後、ドア越しに発砲した。
警察が現場の建物の2階に到着した時には乱射は終わっており、教室で容疑者の男が死んでいた。男は頭を銃で撃ち抜いていた。
2時間半の間に、何かができなかったのか。「全く狂っている。学校が学生にメールを送っている間に、多数の人間が死んだ」とある学生は話した。なぜ最初の事件後にキャンパスを閉鎖し、徹底的に捜索しなかったのかとの疑問の声が、米メディアに次々と紹介されている。
(参照)
米TVにビデオ・手紙送付=最初の銃撃後-乱射事件容疑者
米乱射 銃の製造番号消す 計画的無差別殺人か
学生ののしるメモ書き、金持ちへの反感か…米の乱射容疑者
女学生並ばせ発砲 窓から次々飛び降り 米大学乱射事件
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