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三権分立は民主主義の基本である。司法・立法・行政が同格で初めて成り立つ制度であるが、そのうちの司法の存在が日本ではだいぶ怪しい。
司法がうまく機能できないのは日本国憲法そのものに欠陥があるからだろう。
現在の司法は行政に隷属している。司法の頂点に位置する最高裁判所裁判官だが、彼らを任命したのは小泉・安倍・福田・麻生であり、その息のかかった御仁方であると考えていいだろう。
国民審査 今の仕組みは不親切だ
≪投票所で、裁判官の名前が並ぶ用紙を手に困ってしまう人も多いのではないか。総選挙と同時に行われる、最高裁判所裁判官の国民審査である。
最高裁の判事は内閣が任命し、国民は選任にかかわれない。国民審査は、司法を開かれたものとするために、有権者が直接審判を下す貴重な機会である。今回対象となるのは、2005年の前回衆院選後に任命された9人だ。
投票は、やめさせたい裁判官の名前の上に「×」をつける。有効投票の過半数で罷免になる。
これまで延べ148人が審査を受けた。罷免された裁判官はいない。当然である。有権者が判断するための材料があまりに乏しい。≫
そう、判断材料が乏しすぎるのである。ネット上では公的な情報を告示していない。投票日間際になって、新聞の折り込み広告みたいのが読みにくい小さな活字で来るだけである。
あんなものをまじめに読む人も少ないだろう。
国民審査の欺瞞ぶりに関しては、選挙のたびごとに話題にはなるが、すぐに尻すぼみに終わってしまう。どうせ今回もそうだろう。
国民の大半が裁判所などには縁がないし、内心「ろくでもない奴らだろうな」と思っていても、特に罷免する理由も見あたらないのである。
とにかく情報がないから「×」を付けようもない。
統計的には一番最初に名前のある御仁が「×」をいっぱい貰うことになっている。したがって、この審査では順番が非常に大事なのだ。
日頃は威張りくさっている裁判官方も、順番決めの抽選の時だけは偉く神妙らしい。
尤も、くじに負けて最初に名前が載っても記事にもあるように罷免にまで至ることはかつて一度もなかった。
この制度について詳しく知りたい人は下記のサイトに飛んでください。
最高裁判所裁判官国民審査
とにかく、その審査法は詐欺みたいなやり方である。これで司法の最高責任者が決定するのだから、日本国のお里が知れたものである。
もし審査法が「実名を記入して信任」だったらどういうことになるのかな?
まあ、おめでたい人も多いからそれでも信任されるだろうが、かなりきわどくなることも考えられる。
で、今回審査を受ける裁判官は下記の通りである。
最高裁裁判官の国民審査が告示 9人対象
≪最高裁判所裁判官の国民審査が18日、中央選挙管理会から告示された。総選挙と同じ30日に投票される。15人の裁判官のうち、審査を受けるのは05年9月の前回総選挙後に任命された次の9人(数字はくじで決められた告示順)。
(1)桜井龍子氏(62)=行政官出身(2)竹内行夫氏(66)=同(3)涌井紀夫氏(67)=裁判官出身(4)田原睦夫氏(66)=弁護士出身(5)金築誠志氏(64)=裁判官出身(6)那須弘平氏(67)=弁護士出身(7)竹崎博允氏(65)=裁判官出身(8)近藤崇晴氏(65)=同(9)宮川光治氏(67)=弁護士出身。
期日前・不在者投票の期間は23日から29日までの7日間。≫
とにかく、彼らの実績は徹底して隠蔽されているから、情報源は民間のボランティアに頼るしかない。
「国民審査」で検索すれば、お役所サイトからは投票のやりかたしかひっかからないが、結構この制度に頭にきている人がこまめにサイトを立ち上げているので、その実態を知ることができる。
第21回最高裁裁判官国民審査対象裁判官の横顔
頭にきた人たちの文章なので、引っかかるサイトのほとんどが裁判官に対して薄情なことしか書いていないが、そのあたりの事情は酌量してご閲覧ください。
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