結核というと治療法が確立された過去の病気のような印象があるが、抗生物質の乱用が災いしてとんでもない結核菌が誕生してしまった。
その名は「超多剤耐性結核菌」と言い、名前の通り抗生物質に強い耐性がある。XDRと呼ばれ、致死率が極めて高い。
やっかいなことに症状は通常の結核と同じで、「菌を培養検査しないと判別できず、患者数の把握が難しい」とのことである。
通常の結核は、4種類の薬を半年ほど飲めば大半が治るが、途中で服薬をやめるなど治療に失敗すると、複数の治療薬が効かなくなる多剤耐性(MDR)が発生してしまう。ほかの薬による治療が必要になり、治癒に2年はかかる。これらの服薬なども効かないのがXDRなのだそうだ。
一般の内科医は結核に対する認知度が低い。更にはXDRの存在を知らない医者もいるくらいだ。町医者で埒があかなかったら、すみやかに専門医に相談した方がいいだろう。
(記事)
薬効かない結核、年間100人推計 厚労省が研究班
既存の治療薬がほとんど効かない「超多剤耐性」(XDR)の結核患者が、05年に国内で結核を発症した約2万8000人のうち約100人いたという推計が、財団法人・結核予防会結核研究所(東京都清瀬市)の調査結果から判明した。この患者は長期入院して治療しても感染性がなくならないことが多く、いつまで入院させるか議論がある。厚生労働省は長期入院患者らの実態調査を行い、感染拡大防止と人権配慮を踏まえた対策を検討するため、研究班を立ち上げた。
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