“ガチョーン”谷啓さんが脳挫傷で死去、78歳、自宅階段で転倒…クレージー・キャッツ/俳優として活躍
≪元クレージー・キャッツのメンバーで映画やテレビで活躍、 「ガチョ~ン」などのギャグで知られ、トロンボーンの名手でもあったコメディアンの谷啓氏が11日午前5時7分、脳挫傷のため東京都三鷹市の杏林大学医学部付属病院で死去した。78歳だった。≫
谷啓氏と言っても若い世代はほとんど知らないだろう。テレビ創世期に活躍したコミックバンド「クレージー・キャッツ」の主要メンバーである。
特に芸能的才能があった人物ではないが、「ガチョーン!」というナンセンスなギャグがヒットし高度成長期時代の寵児になった。団塊の世代にとっての男アイドルの一人である。
クレージー・キャッツのギャグはナンセンスが最大の特徴であり、昭和40年以前には見られなかった演芸の新境地を開拓した。ナンセンス芸は植木等が「およびでない…失礼しました」などのギャグで一世風靡した。、植木の場合は計算された演出による芸風だったが、後発の谷啓は更にナンセンス度が増し、演出とは無関係の地のナンセンスに成功した。「元祖天然ぼけ」と言ったところか?
≪谷さんは10日午後5時50分ごろ、東京都三鷹市大沢の自宅階段で1階から2階に上がる際につまづいて転倒し、階段に顔面を強打した。
「バタン」という音に気づいた家族が階段で倒れている谷さんを発見して119番通報し、谷さんは病院に搬送されたが11日午前5時5分ごろ、死亡が確認された。 ≫
年齢的には若すぎる死とは言い難いが、唐突な死に方は彼の人生を象徴しているとも言える。谷啓氏らしい死に方だった。
≪旧制逗子開成中学時代にトロンボーンを始め、終戦後、高校生で進駐軍相手のクラブで演奏した。
中央大学在学中、シャープス&フラッツの一員となり、大学は中退した。フランキー堺のシティ・スリッカーズなどを経て昭和31年、ギャグ入り演奏が売り物のクレージー・キャッツに加入。
芸名は米国の喜劇役者ダニー・ケイに由来する。≫
谷啓氏は日本屈指のトロンボーン奏者ということになっているが、実際のところは不明である。トロンボーンという楽器は相当マイナーな分野なので、演奏者の数もそれなりに限定される。名手であることは否定しないが、日本の頂点を極めたかどうかは疑いの余地がありそうだ。
いずれにせよ、芸術に対する文化水準が低かった当時の日本で楽器演奏で身を立てるのは至難の業だったので、谷啓氏がボードビル界に身を投じたのはやむを得ない事情だった。結果としてそれが芸能史に名を残す偉大な芸人を輩出する結果になったのも皮肉である。
ご冥福をお祈りします。ガチョ~ン!
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