
セイタカもススキも生育域が重なり、陣取り合戦が果てしなく、そして静かに続く。
答えはススキの勝ち。
セイタカは、地下茎とアレロパシー物質の分泌により、造成地や荒地、川原一面にまずハビコル。 方やススキは、親株が子株を、そして孫株をと、地道にゆっくりではあるが「勢力」を確実に伸ばす。 劣勢が続くススキが「ある時を境に」優勢となる。
以前にもお話ししたが、自身の出すアレロパシー物質により、自身が駆逐され崩壊していく。
前ほど言われなくなったが、それでもセイタカは「アレルゲン」として嫌われ、イメージ先行(誤解)がぬぐえず駆除対象として、黄色い穂が出る前に草刈が盛んに行われる。(元々専門家の間違った見解によるものだが、、)
セイタカは虫媒花であり、よほど鼻先にでも持ってきて振らなければ花粉は飛ばない。 この時期気を付けなければ成らないアレルゲンは、ブタクサ、オオブタクサ、ヨモギ、カナムグラなどの風媒花であり、それもせいぜい300㍍範囲の飛散であり、スギ花粉の様には飛散しない。
「黄色い花を見ただけで鼻がムズムズ、、」は明らかに「過剰反応」であり、セイタカには何の罪も無い。
イメージ先行はヒガンバナについても同様だ。
ヒガンバナを植える、と言うと「不吉だ」「毒草を」と声が上がった。
前回もお話したが、ヒガンバナは、古来から人の手により全国に広がった、いわゆる「人と共存」してきた植物なのだ。(飢饉のときの非常食として人間を救ってもいる)
それが、いつの時代からか(多分明治以降ではないか)一部で不吉だと嫌われた。
しかし近年、その花の美しさから全国で「ヒガンバナ名所」が誕生し、年々増加している。
品種改良も外国で盛んに行われ、黄色、桃色、フリルの花びら等々園芸種がたくさん世に出ている。
朱赤のヒガンバナには目もくれず、横の黄色い「リコリス(ヒガンバナの園芸種名)」には「きれいな花」と声が上がり「此花の名前は?」と聞かれ「リコリス」と答えると「かわいい名前」と笑う姿に、思わず「苦笑」してしまう。
イメージの打破、そして本来の意味を教える事。
専門家の端くれとして、地道に伝えていきたい。