中小企業のための情報館 

西川中小企業診断士事務所

経営計画を作ったことのない小規模事業者は半数を占める

2023-02-20 13:36:06 | 補助金・助成策

 補助金申請において重要なのが「事業計画書」を作成することである。経営計画ともよばれるものであるが、中小企業庁の調査によれば経営計画を作成したことのない小規模事業者は半数を占める。以下は、中小企業庁がまとめた平成28年版「小規模企業白書」から引用したものである。

小規模事業者の半数は経営計画を作ったことがない

 小規模事業者における経営計画の作成の有無について調査したところ、「作成したことがある」者は53.0%にとどまっており、約半数の小規模事業者は経営計画を作成したことがないという結果になっている。また、小規模事業者について個人事業者と法人別に調査したところ、経営計画を作成したことがある者は、法人では64.0%となっているのに対して、個人事業者では43.9%である。
 経営計画を作成した効果については、「経営方針と目標が明確になった」及び「自社の強み・弱みを認識できた」との回答がそれぞれ約7割となっているほか、「販路開拓のきっかけとなった」が約4割、「資金繰りの状況が把握できた」が約3割となっている。

 

 補助金を申請することは、事業に必要な資金を確保することが重要な目的であるが、もうひとつ重要な効果もある。それは、今までの事業を点検し、そして自社の現状を定数情報と定性情報を交えて明らかにすることである。それが経営計画であり事業計画である。

 次回以降、小規模事業者の事業計画について事例を交えながら解説していきたい。

                         


事業再構築補助金でシミュレーション機器を申請し採択

2023-02-08 08:15:15 | 補助金・助成策

 事業再構築補助金は第9回目となっており、現在申請受付が行われています。経済産業省のホームページでは第7回までの採択結果が出ており、当事務所では採択内容の分析をしています。今回は、Twitterで紹介したように、シミュレーションを事業再構築に活用しようとしている企業の事例について紹介します。

 本日紹介する3社は、飲食店がコロナによって来店客が減少したことによって売上高が大幅に減ったことから、事業の多様化を図るためにシミュレーションゴルフ場を新たに設けることを申請し採択されたものです。

1.岡山県の飲食業 
 事業計画名:飲食店『○○○』の挑戦!新規顧客獲得を目指し『ゴルフ練習場』事業の開設
 事業の概要:サービスの陳腐化、顧客層の高齢化、新型コロナウィルスの影響で売上低迷している既存事業に、岡山県北では事業展開されていない『シミュレーションゴルフ』を導入した室内ゴルフ練習場を開設することで、他店との差別化を図り、新規顧客層の獲得を狙い、事業の再建を目指す。


2.東京都の飲食業 
 事業計画名:ゴルフレッスン&シュミレーションゴルフ事業
 事業の概要:20代~40代をメインターゲットとし、日中はゴルフレッスン事業、夜間はシミュレーションゴルフと飲食を提供し、コロナ禍の影響を受けず高いニーズの見込める事業を立ち上げ、早期の売上回復を目指していきます。

 

 キッチンカーならぬ移動車によるゴルフシミュレーションを始めようという企業もあります。

3.鹿児島県の飲食業 
 事業計画名:ゴルフシミュレーション付専用車によるゴルフ関連商品の移動販売
 事業の概要:新たに移動販売車とゴルフシミュレーション装置を購入し、素振りやシミュレーションゴルフができる体験型のゴルフショップを展開する。屋外でのイベントや、知り合いの飲食店の駐車場などで販売を行う。