Willのあれこれ日誌

猫3(8才♂、3才♂、年齢不明♂)、人間(年齢不詳♀)でやっている17年目のWillどうぶつ病院です。

Willどうぶつ病院の尿検査 その五

2013年03月13日 | Oh!にょ~(尿について)
見た目検査(カッコよく言うと肉眼所見)してから、遠心し、尿が上清(液体成分)と

沈渣(下にたまった成分、細胞や結晶など)に分かれました

液体成分のほうは比重とペーパーテストを行います。

★尿比重

 屈折計というものがあり、尿がどれくらい濃縮されているかの目安になります。

これがその屈折計です。
P6191783.JPG

左側のガラスの部分に尿を垂らして、右側からのぞいて、数値を読みます。
P6191784.JPG

のぞくとこんな感じで数字があります。
右側が尿検査用の数値です。

何も垂らしていないため、真っ青になっていますが・・・
P6191786.JPG

尿を滴下すると、このように白い部分がでてきますので、
そこの数値を読みます。
このケースでは、尿比重は1.026となります。
P6191792.JPG

正常範囲は犬と猫で少し異なります。

犬 1.030~1.049  猫 1.035~1.059

(例外として、シュウ酸カルシウム尿石症で、処方食(U/d)を食べていると

比重はかなり下がります。比重の上がり下がりを見ることがことが、治療の目安になります。)

★ペーパーテスト

 文字通り、尿試験紙というものがあります。

尿をつけて、一定時間おき、色の変化を読みます。



Willどうぶつ病院で使用しているペーパーテストは7項目を測定することができます

ペーパーテストはいわゆる化学反応検査といってもよいでしょう~

簡単に1項目づつ~

当院で使用しているペーパーテストを上からいきます

 ウロビリノーゲン
  動物では診断意義ありません・・・ ←しょっぱなからすいませんっ
                    どのペーパーテストにもこれはくっついてしまっているので・・・

 ビリルビン
  犬では正常でも検出されることがあります。
  猫では、肝臓疾患など重篤な場合に検出されることがあります。

 ケトン体
  かなり重篤なケトーシス(代謝疾患:よくあるのは糖尿病が重篤の場合に陥る状態)で緊急性があります。
  
 タンパク質
  自然排尿の場合、性腺液が混じって偽陽性になることもあります
  また、感染、炎症、発熱、激しい運動、腎障害などで陽性を示します。
  持続的にタンパク質が検出される場合は、詳細検査に移ります。
  (血液検査、尿蛋白/クレアチニン比、尿中アルブミン測定、など)
  
 ブドウ糖
  血中のブドウ糖(血糖)が高値になっている時に、尿糖として検出されます。
  一番重要なのは糖尿病
  極度の興奮、急性膵炎、出血などで一過性に陽性を示すことがあります。

 PH
  尿が酸性またはアルカリ性に傾いているかを調べます。
  酸性、アルカリ性でできてしまう結晶や結石の種類が違ってきます。
  そのため、結晶や結石の治療にPHの値が重要になります。  

 潜血
  尿路系のどこかで出血がないかを確認します。
  赤血球自体が検出される場合は、染色検査で上部か下部の尿路系か予測がつくことがあります。

*Willどうぶつ病院では、きちんと1検体に1枚のペーパーを用いて検査をしています。

次回は沈渣の検査=顕微鏡検査になります~
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