まずは母乳を両乳からあげる。ギャん泣きされて毎回心が折れかける。その後ミルクを足して飲ませ、最後に飲みきれなかった母乳を手で搾乳する。
その間、約1時間半から2時間。やっと搾乳が終わったと思うとすぐにまた次の母乳の時間。そして毎回同じことを繰り返し、出ないおっぱいを無理やり吸わせ、腕の中で泣く我が子に、もぅこんなことなら母乳なんてやらなくていいんじゃないかって何度も思った。
落ち込みながらする搾乳で量が取れるはずもなく、搾っては捨て、搾っては捨てた。
頑張って吸い付こうとする息子。でも陥没だから上手に口に入らない。特に右のおっぱいが問題で、そのうちに、右向きにするだけで泣き叫ぶようになってしまっていた。無理やりに吸い付くからこの度に擦りきれる乳首は咥えるだけで飛び上がる程痛い。
毎日のように通う助産院。正直費用もバカにならない。保険適用なんてされるはずもないとき、WHOで推進されてるのになんでなんだかホントに疑問に思う。
こんなことならミルクを買った方がストレスもお金もかからないんじゃないか。息子だってお腹いっぱい泣かないでミルクを飲めて幸せなんじゃないか。何度も自問した。
それでも私が諦めなかったのは、ゴッドが諦めなかったからだった。
産婦人科の助産師さんがもう無理だと言った私のおっぱい。それをゴッドは大切にそして的確に毎回根気強く処置してくれたから。
諦めない。頑張らないけど諦めない。
毎回言われるその言葉がどれ程の励みになったことか。
…
……
………
そして。
ある日突然哺乳瓶拒否を始めた息子は、私のおっぱいをちゅうちゅうと吸い始め、4ヶ月にしてまさかの完母デビューとなったのです。
諦めなかったゴッド。頑張ってくれた息子。
「お子さんが一番の先生なんだから、よーくお願いしてお母さんのおっぱい治してねってお願いするの。そうすると赤ちゃんはちゃーんとわかって一生懸命お母さんのためにやってくれるのよ。」
幾度となく言われたその言葉。
今ならばわかる。
もちろん諦めることも選択肢だし、母乳が絶対なんて全然思わないけど、私の腕の中で満足げにおっぱいを吸う我が子を見ていると、また涙が溢れた。