准看護師と正看護師はどちらも医療従事者として医師の指示を仰ぎ、看護を中心とした仕事内容を行っています。仕事内容には、あまり目立った違いはありません。
准看護師と正看護師は、もともと正看護師しかなかった時代に結核が流行し、その看護ができる人を募集するための資格として生まれました。目的は地方の農村部や人口の少ない地域は、医療機関や介護施設がほとんどなかったため、地域の看護師として配置することです。
免許は正看護師が国家資格であるのに対し、准看護師は都道府県の知事が免許を発行しています。准看護師は各市町村にある専門学校で2年~3年学び、毎年2月頃に行われる准看護師試験に合格すると准看護師として働くことが可能です。
一方、正看護師は少なくても看護学校は高校卒業後2年の専門学校で、看護試験を受けられます。看護大学へ進んだ場合は、さらに後2年学んで専門知識をつけるのです。
准看護師と正看護師の違いは、学歴要件や学習期間の長さと言えます。准看護師は中学卒業が最低条件なのに対し、正看護師は高校卒業が条件です。
当時は若いうちに就職する女性が多く、准看護師は中学卒業でも専門学校を出ると就職できました。しかし、現在は正看護師を希望したり、専門看護師を目指したりと女性でも高学歴でキャリアップを狙えます。
また、准看護師は自分の独断で仕事はできません。必ず正看護師や医師、歯科医の指示に従わなければならないのです。どんなに経歴が長くても、正看護師には指示を出せません。現代の医療現場では、この法律はずっと昔のままなのです。
現在、准看護師として働いている人が正看護師へキャリアアップする方法はいくつかあります。もちろん、どちらの資格も看護師として医療機関で働けますが、大きな違いは正看護師の指示がなければ准看護師は作業ができないことでしょう。
そのため、行動に制約ができてしまうのが現状です。昇進や昇格ができず、どうしても現場だけの仕事になってしまいます。
准看護師から正看護師を目指す際には、仕事を辞めざるを得ない状況になる可能性がある点には注意しなければなりません。もし准看護師を7年以上経験していた場合には、通信制の学校に2年間受講すると受験資格が得られます。
しかし、いくら通信制でも学校への出席は50日以上と決められているのが実情です。学校は全国で13ヶ所しか存在しないため、仕事をしながらでも勉強できるとはいうものの、ハードルは高いでしょう。
そして、学校は定時制と全日制があります。3年の定時制は3年目に実習の時間が多くなるのが特徴で、2年の全日制は准看護師が最も最短で正看護師試験を受けられる方法です。
准看護師が正看護師になるまでの道のりは、簡単ではありません。そもそも働きながら学校に通い続けるには、かなりの体力と集中力が必要です。もし退職して正看護師の勉強をするなら、収入の不安がつきまとうでしょう。
とはいえ、准看護師からキャリアアップを狙いたいなら正看護師を目指すのが圧倒的に良いです。そのまま准看護師でいるよりも、今後の将来性を考えて正看護師を目指して頑張りたいという場合には、こちらのサイトをおすすめします。