伊坂幸太郎さんの同名小説の映画化作品です。
割と好きな小説だったので、劇場公開時に「観たいなぁ」と思ってたんですが、恵比寿ガーデンシネマ等一部の劇場でしか上映していなかったこともあり、観損ねてしまいました。
で、DVD発売を機にやっと観ることができました。
大学入学のために仙台へ引っ越してきた椎名。新居の片づけをしていると、同じアパートの河崎と名乗る男が声をかけてきた。口ずさんでいたボブ・デュランの曲に興味を持ったらしい。しかし、彼は初対面の椎名に、同じアパートに住むブータン人のドルジという青年に広辞苑を盗んでプレゼントしたいから「本屋を襲わないか?」と誘う。ドルジは河崎の元彼女の琴美と付き合っていたらしい。また買うのではなく盗むのが大切だと奇妙なことを言う河崎。 椎名は逃げ腰だったが河崎の巧みな話術にのり、気づいたら本屋襲撃に加担していた!<Amazon作品紹介より>
原作を読まずに初めて映画を観る方は、前半部分の展開はワケがわからない変なお話に見えるかもしれません。物語後半にそれらが全て意味をもったパーツとしてつながり、ひとつのパズルのように全てのピースが繋がって一つの物語として完成します。
原作の映像化は、トリックの表現上困難だと言われていましたが、それを見事にやってのけた中村義洋監督の手腕に拍手です。
中村監督は映画「チームバチスタの栄光」でも監督をされていますが、同作の主演女優である竹内結子さんも、「好きな映画"アヒルと鴨のコインロッカー"の中村監督だったので。」とオファーを受けるきっかけの一つだったことをテレビで話されていました。
ともかく無駄なシーンが全くと言っていい程なく、全てが結末に向かっての伏線になっているので、前半ボーっと観ていると、見終わったあと2回目を観たくなるんじゃないでしょうか。そのくらい無駄がない。
ただ個人的には無駄が無さ過ぎる感も無くはないので、もう10分くらい作品の時間を長くしても、河崎・ドルジ・琴美の3人のつながりや心理描写に時間をかけてくれると、もっと感情移入できたかも。。とは思います。
主要キャストの濱田岳・瑛太・関めぐみ・田村圭生の4人ともいい演技でしたし、何より僕が3年以上を過ごした仙台の街が舞台というのも懐かしかったです。
正直、自分自身はそれほど楽しい思い出ってなかった街ですけど、映画を観て懐かしさと愛着を感じ、見る前よりも少し仙台の街を愛おしく思えました。
確かに全国上映向きの作品ではないけれど、週末のくつろいだ時間に、自宅でDVDで観るには最適な作品だと思います。
お勧めですよ。
*************
久々に。。(笑)
じゃすみんさんの「海外ドラマが好き♪」にトラックバック。
【追記:ここからネタばれあり↓】
見終わってから物語を振り返ると、特にドルジのとった行動が、いかに深い悲しみによって引き起こされたかがわかります。
ブータンでは、生物は死んでも来世に生まれかわる。
人間が死んで、来世は犬や猫に生まれ変わるかもしれない。
だからどんな生物も大切に扱う。
今世で善行をすれば、来世で幸せになれる。
今世で悪行をすれば、例え今世で罰を受けなくても、来世では必ず裁かれる。
そういう思想をもっているブータン人のドルジが、物語で語られているような行動をとるというのは、日本人の我々が同じことをするよりも、ずっと重い覚悟と決意が必要だったはず。
例えどんな報いを受けても、そうせずにはいられなかった。
その心情に思いを馳せると、涙を禁じ得ませんでした。
そのあたりが多くの人に支持されている理由なんじゃないかと思います。
(最初から全てを知っているペットショップのオーナーも、全編ずっと悲しい表情でしたね。)
映画で印象的に使われるボブ・ディランの「風に吹かれて」は、とてもいい雰囲気を醸し出していて、思わず携帯でダウンロード購入してしまいました(笑)
人によって好みはあるだろうけど、一度は観ていただきたい作品です。
割と好きな小説だったので、劇場公開時に「観たいなぁ」と思ってたんですが、恵比寿ガーデンシネマ等一部の劇場でしか上映していなかったこともあり、観損ねてしまいました。
で、DVD発売を機にやっと観ることができました。
アヒルと鴨のコインロッカー [DVD] | |
クリエーター情報なし | |
デスペラード |
大学入学のために仙台へ引っ越してきた椎名。新居の片づけをしていると、同じアパートの河崎と名乗る男が声をかけてきた。口ずさんでいたボブ・デュランの曲に興味を持ったらしい。しかし、彼は初対面の椎名に、同じアパートに住むブータン人のドルジという青年に広辞苑を盗んでプレゼントしたいから「本屋を襲わないか?」と誘う。ドルジは河崎の元彼女の琴美と付き合っていたらしい。また買うのではなく盗むのが大切だと奇妙なことを言う河崎。 椎名は逃げ腰だったが河崎の巧みな話術にのり、気づいたら本屋襲撃に加担していた!<Amazon作品紹介より>
原作を読まずに初めて映画を観る方は、前半部分の展開はワケがわからない変なお話に見えるかもしれません。物語後半にそれらが全て意味をもったパーツとしてつながり、ひとつのパズルのように全てのピースが繋がって一つの物語として完成します。
原作の映像化は、トリックの表現上困難だと言われていましたが、それを見事にやってのけた中村義洋監督の手腕に拍手です。
中村監督は映画「チームバチスタの栄光」でも監督をされていますが、同作の主演女優である竹内結子さんも、「好きな映画"アヒルと鴨のコインロッカー"の中村監督だったので。」とオファーを受けるきっかけの一つだったことをテレビで話されていました。
ともかく無駄なシーンが全くと言っていい程なく、全てが結末に向かっての伏線になっているので、前半ボーっと観ていると、見終わったあと2回目を観たくなるんじゃないでしょうか。そのくらい無駄がない。
ただ個人的には無駄が無さ過ぎる感も無くはないので、もう10分くらい作品の時間を長くしても、河崎・ドルジ・琴美の3人のつながりや心理描写に時間をかけてくれると、もっと感情移入できたかも。。とは思います。
主要キャストの濱田岳・瑛太・関めぐみ・田村圭生の4人ともいい演技でしたし、何より僕が3年以上を過ごした仙台の街が舞台というのも懐かしかったです。
正直、自分自身はそれほど楽しい思い出ってなかった街ですけど、映画を観て懐かしさと愛着を感じ、見る前よりも少し仙台の街を愛おしく思えました。
確かに全国上映向きの作品ではないけれど、週末のくつろいだ時間に、自宅でDVDで観るには最適な作品だと思います。
お勧めですよ。
*************
久々に。。(笑)
じゃすみんさんの「海外ドラマが好き♪」にトラックバック。
【追記:ここからネタばれあり↓】
見終わってから物語を振り返ると、特にドルジのとった行動が、いかに深い悲しみによって引き起こされたかがわかります。
ブータンでは、生物は死んでも来世に生まれかわる。
人間が死んで、来世は犬や猫に生まれ変わるかもしれない。
だからどんな生物も大切に扱う。
今世で善行をすれば、来世で幸せになれる。
今世で悪行をすれば、例え今世で罰を受けなくても、来世では必ず裁かれる。
そういう思想をもっているブータン人のドルジが、物語で語られているような行動をとるというのは、日本人の我々が同じことをするよりも、ずっと重い覚悟と決意が必要だったはず。
例えどんな報いを受けても、そうせずにはいられなかった。
その心情に思いを馳せると、涙を禁じ得ませんでした。
そのあたりが多くの人に支持されている理由なんじゃないかと思います。
(最初から全てを知っているペットショップのオーナーも、全編ずっと悲しい表情でしたね。)
映画で印象的に使われるボブ・ディランの「風に吹かれて」は、とてもいい雰囲気を醸し出していて、思わず携帯でダウンロード購入してしまいました(笑)
人によって好みはあるだろうけど、一度は観ていただきたい作品です。
それほど 好きな作品だったんですね。仙台ってこともあって。やっぱり牛タンは お勧めですか?
う~ん、なるほどねぇ。
タイトルの一部、コインロッカーがいつまでたってもでてこないので コインロッカーは?って思いながら観てましたよ。
原作 読んでみようかしら。今度探してみます!
以前から記事にしたいなぁと思いつつ、なかなか気力がわかなかったところに、じゃすみんさんの記事を見て、書くことにしました。
他にもいっぱい見た映画やらDVDやらあるので、そちらも4月中くらいには順次記事にしようかと。。
牛タン弁当も悪くないけど、やっぱりお店で食べる牛タンがいいですね。
先日、1年ぶりくらいに出張で行った時に食べてきましたよ。(^-^)
コインロッカー、最後になってやっと出てきたけど、「神様をとじこめちゃおう」っていうフレーズ、いいフレーズですよね。
伊坂さんの作品(小説)は、独特の世界観を身近な言葉や人物で表現するうまさが魅力だと思います。
代表作「オーデュポンの祈り」も映画化してもらいたいなぁ。