リウマチの患者さんの看護時に気を付けたいのが合併症です。リウマチは基本的に関節に異常が起こる疾患ですが、治療薬や炎症などが原因で、さまざまな合併症を引き起こしてしまう病気でもあります。その中でもよくある問題として注意しておきたいのが、貧血と骨粗しょう症です。
貧血とは、血液中の血色素や赤血球が少なくなってしまった状態のことで、めまいやふらつきなどを引き起こします。リウマチは長期的に炎症を引き起こす病気なので、体内で赤血球の形成がうまく作れなくなってしまうことがあります。他にも薬物治療の副作用により潰瘍ができてしまい、そこから継続的に出血が起こるため、貧血になりやすい身体になってしまうのです。
貧血の合併を予防するためには、日常生活の食生活を見直すことが大切です。鉄を含んだ食品を積極的に取り入れることで、貧血防止ができるようになります。鉄には非ヘム鉄とヘム鉄の2種類がありますが、体内に吸収されやすいのはヘム鉄です。そのため、同じ鉄分でもどちらの含有量が多いかきちんと調べてから食品を選んだ方が、効率的に鉄分摂取ができるでしょう。
次に骨粗しょう症についてです。骨粗しょう症とは、骨がスカスカの状態になってしまう病気のことです。リウマチの患者さんは、痛みから行動範囲が狭まってしまうため、運動不足になりやすく、骨がもろくなりやすい傾向があります。骨粗しょう症を予防するためには、カルシウムを含有している食品を積極的に摂取することが大切です。また、カルシウムの吸収率を上げるためにも、ビタミンDやたんぱく質を含んだ食品を合わせて取ることも有効です。