
藤沢周平 著『彫師伊之助捕物覚え』シリーズ三部作を読み終えました。 『消えた女』 版木彫り職人の伊之助は、元凄腕の岡っ引。逃げた女房が男と心中して以来、浮かない日を送っていたが、弥八親分から娘のおようが失踪したと告げられて、重い腰を上げた。おようの行方を追う先々で起こる怪事件。その裏に、材木商高麗屋と作事奉行の黒いつながりが浮かびあがってきた・・・ 『漆黒の霧の中で』 竪川に上がった不審な水死人の素性を洗って、聞きこみを続ける伊之助の前に繰り広げられる江戸の町人たちの人生模様―――。そして、闇に跳梁する謎の殺人鬼による、第二、第三の殺人―――。伊之助の孤独な探索は、大店の主人や寺僧たちの悪と欲の世界を明るみに出すが・・・ 『ささやく河』 元は凄腕の岡っ引、今は版木彫り職人の伊之助。定町回り同心石塚宗平の口説きに負けて、何者かに刺殺された島帰りの男の過去を探るはめに。綿密な捜査を進め、二十五年前の三人組押し込み強盗に辿りついた時、彼の前に現れたあまりにも意外な犯人と哀切極まりないその動機―――。江戸を流れる河に下町の人々の息づかいを鮮やかに映し出す長編時代ミステリー。 (それぞれ裏表紙あらすじから) 現代風に言うと翳のある探偵のハードボイルドといったところ。主人公伊之助は聞き込みの為に江戸中を駆け巡りますが、巧みな文体に江戸時代の庶民の暮らしぶりが目に浮かんで来るようです。 私的には二巻目の『漆黒の霧の中で』が伊之助の弱さも読み取れて一番良かったですね。 藤沢周平関連 |
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