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「ヒトラー ~最後の12日間~」DVDにて 忘れてはならない傷跡

2006年03月03日 | cinema

3月に入ってからの三日間富山は毎日雪が降っています。特に今日は朝から降りが強くなり、ほとんどいつもどおりの時間で出た私は、もう少しで遅刻するところでした。
ただ真冬の雪とは違って、水分を多く含んだ重い雪なので朝10センチほど降り積もった雪も、昼間の陽気で帰宅する頃にはすっかり解けていました。確実に春は近づいていますね。


さてDVDで『ヒトラー ~最後の12日間~』を見ました。

この作品は劇場で鑑賞予定だったのですが、盲腸に倒れて入院している間に公開が終わってしまって見ることが出来なかった作品です。


1945年4月20日 敗色が濃厚となりつつあるドイツ・ベルリン。『アドルフ・ヒトラー(ブルーノ・ガンツ)』をはじめとするナチ幹部らは地下要塞に立てこもっていた。秘書『トラウドゥル・ユンゲ(アレクサンドラ・マリア・ララ)』は最後をともにすべく彼の元を離れずにいた。
幹部全てが敗戦を覚悟する中、すでに正常な判断力を失った『ヒトラー』は味方の攻勢を信じ、秘書たちもそんな彼の言葉を信じていた。
ソ連軍が迫りくる中、第三帝国の最後を悟った『ヒトラー』は『ユンゲ』に遺言の口述筆記を命じるが・・・

男たちの大和』を見たときも感じたんですが、私は歴史それも近代について学校であまり教わってこなかったな、ということです。
近代の歴史は当然教科書の終わりにあるため、授業時間が足らずほとんど流されて終わってしまった気がします。歴史の面白さを感じ取れる授業をしてくれればもう少し勉強に身が入ったのではないかと、今更ながら感じています。(歴史の面白さ、それは結果としての事実の裏側に何故それが起きたのか、その事件の少し前にきっかけとなる出来事が必ずあるということ。そしてそれが積み重なったものが歴史、と呼ばれるものだと思います。)
名前だけは知っていますが、ナチズムとは何か。ナチスとは何だったのか私は知りません。つい最近まで旧ドイツ軍=ナチスと単純に考えていました。

本作『ヒトラー  ~最後の12日間~』は、実際に彼の秘書を務めた女性の証言に基づいて描かれています。
独裁者『ヒトラー』が何故誕生したのかや、内面を描くのではなく、また悪の権化としてでもなく、敗北という重い事実を前に正気と狂気の狭間を行き来する一人の人間として、最後の数日間を淡々と映し出しています。秘書たちに礼儀ただしく接する彼と、髪を振り乱し将校たちへの怒りを爆発させるギャップのある彼の内面は、秘書の語るとおり謎に満ちています。
主人公は女性秘書ですが、次々と登場する人物に対して第三者的な視点で描かれているため、登場人物に感情移入することはありませんでした。

ひとつの国家が倒れゆく様を描いた本作は見る人によっては、滅びの美学として捉えられてしまうかもしれません。

エンディングロールでの登場人物たちのその後(製作当時に存命の方もいらっしゃるよう)を見て、あの戦争は遠い歴史でなどではなく、身近で起きた出来事なのだと改めて痛感しました。


評価 星 さんてん ご


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ヒトラー~最期の12日間~@映画生活


P.S.
この作品と合わせて『アドルフの画集』を見ることをオススメします。



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