ヤギゴリラの日々徒然

いろいろ書きます!

コンビニ人間を読んで

2024-12-07 19:37:40 | 日記

オーディブルの聞き流しなので、間違いがあるかもしれないことをご了承ください。

 

まずはあらすじを、、、

主人公は社会のルールが分からない女性。子供の頃には、「喧嘩を止めて!」と言われたので、喧嘩している男子の頭をスコップでかち割ってみたり、死んだ小鳥を見つけて、焼き鳥好きのお父さんに持って行こうとしたりと、何かが欠けてしまっている感じ。しかし、周りの悲しむ姿には心が痛むようで、他人を真似ることで社会に馴染もうと努力をする。味噌なのは、あくまでも社会の暗黙知は全く理解できていないこと。努力する動機はお母さんを悲しませたくないとか、注意を受けるのが面倒だからだ。「どうしてほしいか言ってくれたらやるのに」という言葉が印象的だった。主体性もないみたい。

そんな主人公がコンビニバイトに大学から三十路まで働き続けることになる。なにやら彼女にはコンビニバイトが合っていたようだ。すべきことはマニュアルで決まっていて、やるべきことが分かるのが良かったらしい。店長やアルバイト仲間の行動も、売り上げを上げようという同じ目標を持つ点で予測可能だった。また、社会に馴染めるか心配する母親はバイトをする自分の姿を喜んでくれていた。しかし、三十路を超えるとバイトしているだけでは良しとされないのだ。結婚はしないのか、子供は作らないのか。結局、面倒なことを散々言われる羽目になる。そんな中、同じく社会不適合者のグズ野郎(オス)を拾うことになり、ああこいつと結婚したらええやんという結論に辿り着いて、、、、げふんげふん。

 

さて、なかなかすごい設定なのだけれど、こういう極端な人間の話が好きなボクは楽しく読むことができた。クズ男の描写には、正直萎えたのだが、感情が動くっていいことだよねとか、サウナでいう「辛いの先に快楽があるんや」とか、これこそ本を読むということなのかもとか考えながら乗り切った。いくつか考えたことがあるので、徒然と書いていこうと思う。

 

一つ目は、暗黙の了解が分からないのって程度はあれどみんな持っているよねということ。特に反社会的感情とか持っていると、暗黙の了解を無視するのがよしとなっていて、興味も持たない。興味を持たないと覚えないので、大人になってからやらかしながら学び直しする羽目になって、非常に恥ずかしい(ボクのことですね)。もしくは、単純に暗黙の了解が理解できない問題もあると思う。『ケーキの切れない非行少年』は限界知能を扱った本だった。限界知能の彼らは、ケーキを三等分することができない。丸いケーキを縦に三等分してみたり、T字に三等分したりする。避妊しないと子供ができることも理解していないのかもしれない。そんな彼らには周りの人間が宇宙人にでも見えているのではないだろうか。知らない文化、知らない言語を持つ、敵か味方かも分からない奴らの中に、一人放り込まれたような世界で生きているのではないだろうか。そんな人に暗黙の了解を学べというのは土台無理な話である。

 

二つ目は、現代社会は複雑すぎということ。しかし、複雑さは人が進化の過程で築いてきた賜物で、素晴らしいものでもあるということだ。例えば、年収の話をしないのは、要らぬ上下関係を産まないためだ。軽しか買えない人の前で、レクサスの乗り心地を話すのはあまり良くない。だから、全員第三者の視点で語れる野球の話で盛り上がるようになるのだろう。別にレクサス買えなくても、レクサスの乗り心地は気になるように思うのだが、単純に楽しめばいいと思うのだが、興味もないお金もない人の気分を悪くするのはしょうがのないことだ。嫉妬が生まれるのは生理現象みたいなものだろう。一方で、素晴らしいものだという話。本の中では、社会不適合者の二人が同棲を始めると、お互いの主義主張を建てるために話し合いが行われ、新しい気づきを得て、行動が変わっていく。ああ、これが社会の始まりだなと感じた。たぶん、世界の社会不適合者を集めた世界を作っても、今の社会に収束するんだろう。となると、今の僕たちの悩みはなんだろう。社会への不満ややるせなさはどこにぶつけたらいいのだろう。忌み嫌ってるものに向かっている途中なんて、、、。あいつらとは違うんだ!なんて言い訳は通用しないのである。世界は残酷だ。

 

三つ目は、適切な指導者がいれば、主人公は輝けたのではないかということ。主人公は社会不適合者として書かれるが、コンビニの業務に関しては深い知見を蓄えていた(最早、預言者かってくらい客の行動を理解している)。たぶん、ルールがはっきりしていて、きちんとしたデータに基づいた結果は理解できるのだ。科学者とかデータサイエンティスト、プログラマーみたいな職種には向いているように思う。その人の特性を理解して、哀れみの目を向けるのではなく、強みを見つけ、生き方を提示してあげれば、主人公は社会不適合者ではなく、社会の強者として生きていけたのかもしれない。

 

最近、本を読むようになったので(オーディブルだから聞くかな)、備忘録として、文を書く練習として残していこうと思います。どうぞ、よろしくお願いします。