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野鳥にもやさしい風力発電であってほしい・・・

私たちが使っている電気、野鳥たちが犠牲になっている!たかが鳥なのか・・・。

絶滅危惧の野鳥の被害が止まらない!

2025-04-02 22:11:58 | 日記

オジロワシのバードストライク、3月だけでも5件!

There were five white-tailed sea eagle bird collision during the month of March this year !

 報道によれば、北海道北部の幌延町の風力発電施設(4300kw×14基)で、国の天然記念物のオジロワシ、オオワシのバードストライクが多発しています。野鳥への対策に消極的な事業者も異常事態と思ったのか、日中の運転を停止しました。

Operators shut down all wind turbines during the day

【被害記録】2023年5月:オジロワシ1羽 2023年6月:オオワシ1羽 2024年3月:オジロワシ1羽 2024年5月:オジロワシ1羽 2024年12月:オジロワシ1羽 2025年1月:オジロワシ1羽 2025年3月:5羽 計11羽

 2023年5月運転開始直後にバードストライク(B.S)が発生。対策として、風車のタワー側面とナセル上部に「目玉模様◉」のペイントを2023年9月に施したが、その後もB.Sが発生したため、2024年12月から鳥類が嫌がる音をスピーカーで発生させる装置()を全14基に設置した。しかしその効果なく、今年3月に入ってからB.Sのペースが急増した。

Illustrations and sounds have no effect on the eagles to keep them away

※風車タワー10mの高さに360°カメラとスピーカーを設置。風車に接近する鳥類をカメラで検知し、半径300m内に近づいたらスピーカーで忌避音を発生させ、鳥類の進路変更を促す。

 事業者のユーラスエナジー社はこの異常事態に、3月25日から海ワシ類が活動しやすい日の出1時間前から日没まで、全14基の運転を停止した。

 B.Sが多発している原因については、▽周辺が秋・春に行き来する渡り鳥の通り道になっている。▽周辺には営巣地があり、生息の可能性が高い。と、環境省は指摘する。また、事業者の環境アセスでは、海ワシ類の飛翔状況も調査されているが、現状と差違があるので検証が必要という。※環境影響評価(アセスメント)手続きの「準備書」段階の住民説明会で、運営会社側は「20年間に数羽しかバードストライクが起きる可能性がないことから、ほぼ問題ない」との回答だったという。

【ブログ作成者から】何度も言うように、事業者が実施する環境アセスは、事業計画を進めるための単なる手続きと化しています。計画に支障がある都合の悪いデータが出ないために、精度の高い調査はしない、できれば既存のデータを活用する、希少鳥類のデータは隠蔽する、報告しない、という姿勢であると言っても過言ではないでしょう。現に、東北地方や北海道で疑惑の事例がありました。「環境にやさしい風力発電」も利権目的になると、今回のようなことになるのでしょう。これが絶滅危惧種の野鳥なので問題になっているとすれば、いわゆる普通種と呼ばれる野鳥たちの被害は見過ごされ、関心も持たれていないということになります。北九州市の沖合でオオミズナギドリの集団繁殖地近くで浮体式洋上風力発電の計画がありますが、野鳥への影響軽減に事業者の積極さが見られないのは、オオミズナギドリが絶滅危惧種ではないからでしょうか。絶滅危惧種だけが注目されることのないように、私たち保護団体も留意していかなければなりません。

Once again, we learned that environmental assessments are unreliable.

We want wind power to be wild birds friendly.

Association to protect wild birds from wind power


白紙撤回を求める!

2025-03-15 09:59:24 | 日記

北九州市若松沖の白島に近い浮体式洋上風力発電計画

響灘海域に生息する野鳥たちに配慮のない

分別の無い計画は白紙撤回をすること!

計画段階環境配慮書に対して意見書を提出しました。

 日本野鳥の会北九州支部はグローカル社が計画する響灘の白島近くの洋上風力発電計画の環境配慮書に対して、下記のような意見書を「(公財)日本野鳥の会」連名で3月8日に提出しました。当会もその意見書に賛同すべく、意見書を提出しました。以下に要約版を紹介します。

 本事業計画において設置予定の浮体式風車は、最大高さ・回転直径共に約300mと、以前に貴社が計画した着床式風車にも増して、鳥類がブレードに接触するリスクが高く、鳥類への配慮に欠いた分別のない計画と言わざるを得ない。

 よって、グローカル社は計画を白紙撤回すべきである。もしくは下記1,および2にあるような実効性ある環境保全措置を講じること。

保全措置1.鳥類が風車に近づいたら自動的にシャットダウンするシステムを導入する。(レーダーとローター自動緊急システムが組み合わされたシステムが必要)

保全措置2.白島(鳥獣保護区・特別保護地区)で集団繁殖するオオミズナギドリの離島時(探餌に出発)と帰島時(探餌からの帰島)の時間帯に風車の運転を停止する。

 2019年に計画された着床式洋上風力発電計画2基に対しては、日本野鳥の会北九州支部と環境審査会の委員から厳しい意見が出されたにもかかわらず、方法書段階まで鳥類への配慮の姿勢は無いに等しく、今回のさらなる大規模な計画も、鳥類への配慮は不十分であり、北九州市の生物多様性を軽視した計画と言わざるを得ない。オオミズナギドリやミサゴが風車の羽根に弾き飛ばされ、叩き落とされ、帰らぬ親鳥を待つひな鳥の悲惨な状況を想像してみてください。
希少種・普通種を問わず、鳥類への影響を未然に防ぐ最も有効なのは、影響を与える場所には風車を建設しない事である。(※詳細な意見書内容については、日本野鳥の会北九州支部報とホームページに掲載予定です。)

【ブログ作成者から】

 「風力発電が野鳥に与える影響を考える会北九州」からも、日本野鳥の会北九州支部からの意見書を真摯に受け止め、白紙撤回もしくは実効性ある保全措置を講じることを求めた意見書を提出しました。

 今回の計画は、2019年計画内容への反省はもちろん、保護団体や環境審査会委員からの意見は全く生かされていないどころか、意に介していないように見受けられます。3月28日には環境影響評価配慮書の環境審査会(オンライン形式)が開催されます。私もオンライン傍聴をする予定です。環境審査会委員からはどのような意見が出されるでしょうか。以前にも増して厳しい意見が出ることを期待したいですが........さて? さらに審査会での意見を参考に北九州市長意見が出されますが、事業協力者としての北九州市が、「計画を見直すこと」などは言わないでしょうか。たとえ北九州市の環境施策に反していてもです。配慮書への意見が軽視されるのであれば、次の一手を考えなければなりません。このブログをご覧のみなさまから応援メッセージを頂ければ心強いです。

 


なぜ白島の近くにわざわざ計画するのか!

2025-02-20 11:11:22 | 日記

またもや、同じところに超巨大な浮体式洋上風力発電計画!

Why plan it near Shirashima Island !

Once again, a super huge floating offshore wind farm is planned in the same location.

 2019年に計画された北九州市若松沖の白島(しらしま)近くの洋上風力発電2基は、白島で集団繁殖するオオミズナギドリなどへの影響が懸念されたため、計画の見直しを求めていましたが(2022年3月のブログで紹介)、コロナ禍の後、環境アセス中に計画が中止され、新たに計画されたのは........

北九州市若松沖の白島(しらしま)の男島

バージ型3枚羽根浮体式洋上風力発電(出典:イデオル社(フランス))

Barge-type 3-blade floating offshore wind turbine

【事業者】(株)グローカル(広島県呉市)

【出力規模】3万kw(1万~1万8千kw 2基~3基)

 今年の1月31日、事業者から説明を受けました。2月14日から環境アセス手続きが始まり、今配慮書に対する意見書を作成中です。前回計画の環境審査会で委員から「なぜ白島のすぐ近くにわざわざ計画するのか!」「漁業関係者が同意すればいいという問題ではない!」との発言があったことを思い出します。「計画を中止しなさい」と言うことができない自然保護派の審査会委員さんは、内心怒っていたのでしょう。

 さて、この計画を白紙撤回に追い込むのは容易ではないでしょうが、しかも北九州市が事業協力という形で後押ししているのでなおさらです。事業者は儲け話に乗り遅れるなとばかりに、北九州市の協力を得られるような場所に計画したのでしょうが、生物多様性の重要性を掲げている北九州市はどんな助言をするというのでしょうか。白島のオオミズナギドリやミサゴの衝突防止策を協議するなんて期待するだけ無駄かもしれません。だからこそ、最初から計画の白紙撤回、もしくは、野鳥が近づいたら自動停止、そして、オオミズナギドリが白島を出入りする時間帯は運転停止を求めていくしかありません。現在建設工事中の25基の洋上風車で頭いっぱいの上に、さらに今回の計画です。頭がパニクってしまいそうですが、さあ今から戦術を練らなければ!・・・です。

We call for either a scrapping of the plan or the implementation of effective bird collision prevention .

このブログをご覧のみなさま、応援のコメントをよろしくお願いします。ミサゴもオオミズナギドリもカモメたちも応援してくれるでしょう。

海上を飛び回るオオミズナギドリの群れ((公財)日本野鳥の会提供)

白島で繁殖するミサゴ

Please comment in support.

The wild birds of Shirashima Island will also be supportive.

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自然環境への影響をないがしろにする洋上風力発電促進区域

2025-02-03 11:18:37 | 日記

配慮が必要なのは漁業だけではない!

It is not only the fishing industry that needs to be taken into consideration!

 福岡県宗像市、岡垣町、芦屋町、北九州市沖の響灘に、洋上風力発電促進区域指定を目論む福岡県は、今、関係する漁業協同組合と協議を進めています。まずは漁協との協議が進まなければ準備段階から有望段階に進めないからです。しかし、そこには自然環境や人の健康、景観などの影響は後回し、今の段階では協議する必要がないと思っているのでしょう。

 そこで、本日(2月3日)福岡県「県民の声」に下記の要望を送りました。

 Requests were sent to Fukuoka Prefecture “Prefectural Citizens' Voice”

<要望>
 漁協との協議を進めると同時に、洋上風力発電が鳥類に与える影響や景観、健康問題について、識者・専門家、保護団体、沿岸住民との協議を進める必要があります。

 福岡県としては、促進区域に指定され、事業者からの計画が出れば、環境アセス手続きで自然環境などへの影響低減を図ることになると主張するでしょうが、我が国では洋上風力発電による影響の知見が乏しいため、懸念されることが多く、出来るだけ早い機会に、予想される様々な影響を把握しておくことが重要です。漁業との協議に併せて、並行して協議を進めるべきです。

 現在の環境アセスについては、形骸化が著しく、環境審査会委員や市民からの厳しい意見は、ただ聴くだけに留めるという事業者のスタンスであり、「検討します」「参考意見として聴いておきます」が常態化しています。調査のやり直しや計画の見直しなどは全く意に介していません。また、不十分な調査や過去のデータに頼るなど、事業者自らが責任を持てる調査は実施しないで済むなら実施しないという事業者の考え方のようです。さらに、鳥類への影響を例に上げれば、影響軽減について実効性ある対策は皆無であるにもかかわらず、「影響は小さい」の結論に向けての環境アセスとなっています。そのいい事例が現在北九州市若松沖で建設工事中の着床式洋上風力発電25基の事業です。まさに事業者にとって環境アセスは、単なる手続きと化しています。

 国内の事例においても、不十分な調査が多く、データ改ざん疑惑もあるなど、面倒な環境アセスを手早く済ませてしまおうという、事業者の意図が見えます。また、住民への説明も丁寧さに欠けるなど、紛糾事例も少なくありません。
 よって、戦略的アセスの観点から、至急鳥類をはじめとする野生生物への影響や、岡垣町から芦屋町につづく「三里松原」(玄海国定公園)の景観への影響、沿岸住民への低周波音による健康への影響など、至急協議を始めることを要望します。

 このブログをご覧のみなさま、ご賛同いただける方は、下記の福岡県「県民の声」にご意見を送っていただくようお願い致します。懸念材料が盛りだくさんの洋上風力発電でありながら、促進区域指定に奔走する福岡県に一言物申してください。懸念しているのは北九州からだけではないことを知ってもらわなければです。私たち会以外にも多くの人が、洋上風力発電が引き起こす影響を懸念し、注視していることを知ってもらわなければです。県外の方も意見を送ることができます。回答を求めることもできます。よろしくお願いいたします。

Dear readers of this blog, please send your opinions to Fukuoka Prefecture “Prefectural Citizen's Voice”!

福岡県「県民の声」クリック→HARPフォーム受付

当該海域に生息する海鳥などの調査データは、過去に北九州市がゾーニングを試みたときのデータがあるだけのようです。それもカモメ類が多く渡来する冬期には調査されていません。この調査が不十分であることは北九州市も認めており、改めて詳細な調査を望んでいます。福岡県はこの不十分な調査データしか把握していないため、福岡県独自に精度の高い調査を実施することを、今後求めていかなければなりません。

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おだやかな海の景色が変わっていく

2025-01-23 10:44:29 | 日記

響灘の野鳥のことなど気にすることなく進む建設工事

Wind power construction work proceeds without regard for wild birds in Hibikinada

 正直言えば、あまり見たくない建設工事ですが、見なれたおだやかな海の景色がどう変わっていくのか、響灘を飛び回るミサゴやカモメたちが、巨大な風車の羽根にはじき飛ばされ、叩き落され、オオミズナギドリたちが「風車に気を付けて!」と注意し合いながら?海面上を飛ぶシーンを想像しながら、悶々とした気持ちで見に行きました。

        

上の写真は2023年12月のおだやかな海の風景です。それが今は・・・

 すでに15~17基ほどのジャケットと呼ばれる風車支柱の台座が設置されていました。ジャケットだけなら、まだそんなに威圧感は感じませんが、この上部に高さ200m、風車の直径170mとなると、まさに「野鳥はこの海域に進入禁止!」の標識が立つようなものですね。

 私たち保護団体の力及ばず、ここに至ったことについては、これまで応援していただいた皆さまに申し訳ない気持ちでいっぱいですが、ここであきらめる訳にはいきません。今年(2025年)の秋から来年(2026年)春に全25基の洋上風車が運転開始されるのを見越して、独自に野鳥への影響調査も検討しなければなりません。事業者が実施するわずか1年の事後調査は信ずるに足りませんから。

 事業者の「ひびきウインドエナジー社」が実効性ある対策を全く実施しようとしていないことに加え、誘致した北九州市が事業者に適切な勧告をしてこなかったことも大いに問題です。環境アセスで識者からの意見を受けて、当時の市長は「適切な環境保全を講じること」という問題意識が欠如した市長意見でした。事業者は市長からの厳しい意見もなく、安心して粛々と工事を進めています。

 そこで、事業を誘致した責任上、北九州市から事業者に対して、「予防原則の上から、鳥類の衝突防止システムをせめて25基の半数の風車に装備すること。費用に関しては誘致した本市が補助することも検討する」くらいは言って欲しいものです。

 このブログをご覧の皆さま、ご賛同いただける方は下記の北九州市「市民のこえ」に意見を送ってください。北九州市民だけでなく全国のどなたからでも北九州市政への意見として送ることができます。市長も目を通すことになっています。回答を求めることもできます。北九州市が掲げる環境施策「生物多様性の重要性」に叶うことです。「環境未来都市」北九州市への建設的意見です。Let's send our opinions to Kitakyushu City, which invited the project!

クリック→ 市民のこえ(ご提案・ご相談) - 北九州市

 市民が見なれた響灘をゆうゆうと飛ぶミサゴやカモメたち、遠く南半球から子育てのためにやってくるオオミズナギドリたちが機嫌よく飛び回る響灘は、私たち市民にとって心安らぐ故郷(ふるさと)の原風景です。

 皆さま、響灘に生息する野鳥たちが、これからも安心して生きていけるように、応援をお願いいたします。

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