肝臓の切除を担当してくれた外科医の先生から肝臓の状態について順調に回復している旨の報告を受けて2月から大腸の切除を担当してくれた元の主治医の診察に戻りました。
今後の治療について、主治医と話あった結果等をまとめたので記しておきたいと思います。
〇病状のおさらい
1月17日の記事にも記載しましたが、大腸がん肝臓転移手術後の再発率・転移率については、発表する病院や医療機関によって異なるものの低くて50%、高いところだと70%~80%とされています。この数字は手術しただけで治ることはほとんどなく、高い確率で再手術を必要とすることを意味しています。
そういった状況から術後の抗がん剤を行うことが一般的ではありましたが、2021年9月に発表された抗がん剤の有効性について「抗がん剤を行ったとしても再発までの時間を稼ぐことができるが、生きられる時間を見た際にはむしろ無治療の方が長生きできる」という結果となりました。
これはかなり皮肉であり酷な結果といえます、端的にいうと抗がん剤を使ったとしても治ることはないのだから副作用のない生活を送った方が良いということです。
〇今後の治療について
肝臓切除を執刀してくれた先生からはXELOX療法(オキサリプラチン+カペシタビン)を行った方がよいのではないか?・・・という説明を受けていました。
ですが、2022年3月末にオキサリプラチンを投与した場合には、激痛を伴った麻痺症状が左腕全体におこり、触るものすべてが剣山で刺されたような痛みがありました。また20度ちかい常温の水でも喉がしまり嘔吐を繰り返すアレルギー症状が出て脱水症状をおこした結果、病院に搬送が必要となる状況でした。
以上の結果を踏まえて主治医と今後の治療方針を話合いました。
◆オキサリプラチンを使用した治療については、手術ができない状況(延命治療しか望めない)の際に取っておくこと。
◆再発の確率が高い状態ではあるが、効果も薄いが副作用の最も弱い抗がん剤を使うこと。
に決めました。
2月の末から6ヵ月間を目途に抗がん剤治療を行いながら再発に備える形です。
<横山専務のコメント>
無治療という選択肢もありましたが、最終的に迷った結果、弱い抗がん剤を服用して定期的に病院で検査を受け再発をできる限り早く発見するという方針に決めました。
なかなか難しい選択ではありましたが、生活の維持、仕事を行いながら治療していくにはこの方法が最良の選択だと考えました。
治す可能性をあげるために、最低半年以上も抗がん剤治療のために入退院を繰り返すことは自分の中ではあり得ないと思いました。
既に全身にまわってしまっているがん細胞がどのぐらい期間再発しないでいてくれるのか?できたら一生再発しないでもらいたいですが(笑)・・・そうもいかないでしょう・・・から再発をできる限り早く発見して再手術に臨む態勢を整えていくのが今後の方針です。
がんの恐怖を身をもって体験した中でがんの早期発見の大切さやがんのいう病気の怖さを伝えていければ良いなと考えています。
最後に・・・後ろ向きな文章にも見えますが「がんを治すこと」「生きること」を諦めたわけではありません。今回の判断もある意味戦略的な考えのもとに決めたことです。
今行われている治験※保険適用前の実験的治療についても調べており抗がん剤の副作用を抑える実験が行われていることも把握しており、また数年後にがん治療が変わるかもしれないという情報も掴んでいます。
肝臓の切除を乗り越えた今、自分にできることは何か考えながら過ごしています。2月9日の今日はがん患者さんが集まるサロンに行ってきました。今後はシンポジウムや講演会などにも足を運ぶ予定です。
立ち止まってはいられません、できることから1歩1歩、前に進んでいきます。